コロナとインフルの死亡リスク、最新の比較

コロナとインフルの死亡リスク、最新研究では差が縮まる
以下は、記事の抜粋です。


COVID-19を季節性インフルエンザと比較した場合、死亡リスクの差はどのくらいか。COVID-19パンデミックの初年度(2020年)の研究では、COVID-19で入院した人は、季節性インフルエンザで入院した人と比べ、30日死亡リスクが約5倍になることが示唆されていた。その後、COVID-19の臨床ケア、集団免疫など、多くの変化があり、この数字は変化した可能性がある。

セントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らは、2022~23年の秋から冬にかけ、年齢、ワクチン接種状況、COVID-19感染状況などに分類したうえで、COVID-19が季節性インフルエンザと比較して死亡リスクが高いことに変わりはないかどうかを評価した。

米国退役軍人省(VA)の電子健康データベースを使用し、2022年10月1日~2023年1月31日に、SARS-CoV-2またはインフルエンザの検査結果が陽性で、COVID-19または季節性インフルエンザの入院診断を受けた2日前~10日後の間に、少なくとも1回の入院記録がある人を登録した。両方の感染症で入院した143例は除外した。コホートは死亡、入院後30日、または2023年3月2日まで追跡調査された。

主な結果は以下のとおり。

・COVID-19による入院は8,996例(30日以内の死亡538例[5.98%])、季節性インフルエンザによる入院は2,403例(死亡76例[3.16%])だった。
・30日後死亡率は、COVID-19で5.97%、インフルエンザで3.75%であった。インフルエンザによる入院と比較して、COVID-19による入院は高い死亡リスクと関連していた(ハザード比:1.61)。
死亡リスクは、COVID-19ワクチンの接種回数が多いほど減少した(未接種と接種の関連はp=0.009、未接種とブースター接種の関連はp<0.001)。ほかのサブグループでは、統計的に有意な差はみられなかった。

研究者らは「COVID-19で入院した人の死亡率は2020年に17~21%だったのが本研究では6%弱、インフルエンザで入院した人の死亡率は2020年に3.8%だったのが、本研究では3.7%だった。COVID-19で入院した人の死亡率が低下したのは、SARS-CoV-2変異株の影響、ワクチン接種や過去の感染による免疫レベルの向上、臨床ケアの改善によるものと思われる。また、死亡リスクは、ワクチン接種者またはブースター接種者と比較してワクチン未接種者でより大きかった。この結果は、COVID-19による死亡リスクを低減するためのワクチン接種の重要性を強調している」としている。


元論文のタイトルは、「2022-2023年秋冬にCOVID-19と季節性インフルエンザで入院した患者さんの死亡リスクについて」です(論文をみる)。

インフルの約2倍重症化リスクのある非常に感染力の強い病気がそこら中にいるというのが、今のエンデミックの状態だと思います。リスクを下げるにはワクチンを打ってもらうか、弱毒の株に感染するか、高血圧などのリスクを減らすしかなさそうです。

2022年12月21日に厚生労働省が発表したデータ

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