チルゼパチドの血糖降下・体重減少作用はセマグルチドを上回る

チルゼパチドは従来薬上回る「強化版GLP-1薬」…中高年のなかなか痩せられない肥満型糖尿病患者向け
以下は、記事の抜粋です。


「2型糖尿病」の適応で2022年9月に承認された、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名マンジャロ)。グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)の2つの受容体に単一分子で作用する初の薬剤だ。

GIPとGLP-1はともに、食事の摂取に応じて消化管から分泌されるインクレチンとして知られ、グルコース依存的にインスリン分泌を促進する。GLP-1受容体作動薬は主に2型糖尿病治療薬として開発されており、国内では現在5種類の成分が使用されている。GIPの薬理作用については不明な点は多いが、食事の摂取量を減少させながらも、エネルギー消費を増加させることが明らかになっているため、GIPとGLP-1の受容体を同時に刺激することで、薬剤としての効果が強まると考えられている。

チルゼパチドは、GIPの構造をベースとした合成ペプチド。半減期は5~6日間であり、週1回投与の皮下注射製剤となっている。

血糖降下・体重減少作用は従来薬を上回る

日本人2型糖尿病患者を対象としたSURPASS J-mono及びSURPASS-2試験で、チルゼパチドはGLP-1受容体作動薬デュラグルチドやセマグルチドに比べ、全ての用量群でHbA1cを有意に低下させた。体重変化についても同様に、デュラグルチドやセマグルチドと比較して有意な体重減少が確認された。

これらの臨床試験から高い体重減少作用が報告されているため、チルゼパチドは「肥満を合併する2型糖尿病患者において、セマグルチドの次の一手になるだろう」と期待されている。

このように、チルゼパチドはBMI 30kg/m2などを目安に、既存のGLP-1受容体作動薬から切り替える形での使用が、当面中心となりそうだ。ただし、サルコペニアの懸念から、高齢者への使用は慎重になるべきだ。従って、チルゼパチドのメインターゲットは「血糖も体重もなかなか下がらない、中高年の肥満型2型糖尿病患者」と言えそうだ。

なお、同薬は2022年9月に承認されたが、発売時期は未定となっている。

同薬は肥満および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に対しても開発が進められており、肥満または過体重を対象とした第3相試験、NASHを対象とした第2相試験が進行中だ。


日本でも抗肥満薬が出揃ってきました。肥満を病気と考えて、健康なヒトのお金で治療するのには抵抗がありそうですが、、、ますます健康保険財政が圧迫されそうです。

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