新しい単語を学ぶとき「すぐ声に出す」のはよくないと判明!
以下は、記事の抜粋です。
スペインの認知・脳・言語に関するバスクセンター(BCBL)で行われた研究により、新しい単語を直ぐに声に出して読み上げることが、学習に悪影響になる可能性が示されました。
研究では、黙って聞くか聞いてから4秒待って声に出すほうが、学習を促進できることが明らかにされています。新しい単語を声に出して学ぶ方法はこれまで勉強法の鉄板のように思われてきましたが、私たちの脳はそれほど単純なものではないようです。研究内容の詳細は『Language, Cognition, and Neuroscience』にて掲載されています。
単語を声にするとき私たちの脳では単語のつづりを視覚で認識し、音を脳内で組み立て、言語として口から出力するという複合的なプロセスが働きます。これまでは、「脳に多方面から負荷をかけたほうが学習効果が高くなる」とされていました。
今回、BCBLの研究者たちは「直ぐに声に出す」ことが知覚学習にどの程度の影響を与えるかを調べることにしました。調査にあたってはまず、300人の被験者たちに対して新しい12個の単語を4つの方法で学習してもらいました。
1つ目の方法は、たた聞くだけ、2つめの方法は聞いた直後に声に出す、3つ目の方法は聞いてから2秒後に声に出す、4つ目は聞いてから4秒後に声に出す、というものでした。
被験者たちは上記の4つの方法のいずれかで12個の単語について学習し、翌日に知覚学習の効果(単語を正確に聞きわける能力など)が確かめられました。
結果、新しい単語を聞いた直後に声にすると、単に聴いていただけに比べて学習の混乱が起こることが判明しました。一方、単語を聞いてから4秒間待ってから声に出すことで、このマイナス効果が相殺されることが判明しました。これらの結果は新しい単語を聞いた直後に声に出すことは、学習効率を悪化させることを示します。
元論文のタイトルは、”Wait long and prosper! Delaying production alleviates its detrimental effect on word learning.(長く待って大成功! 発語を遅らせると、単語学習への悪影響が軽減されます)”です(論文をみる)。以下は、論文の図です。黙って聞く(一番左)のも良さそうです。
理由はいろいろと考察されていますが、結果が重要だと思います。
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