以下は、記事の抜粋です。
標準体重より2~3キロ太っているのは、そう悪いことではないかもしれないという新たなメタ分析の結果が1月1日、JAMA誌に発表された。米疾病対策センター(CDC)のKatherine Flegal氏らの研究チームは、北米、欧州、南米、アジアの100件近い研究データと、成人280万人の健康に関する情報を分析した。
サンプル対象者のうち約27万人が研究対象期間内に死亡したが、年齢や性別、喫煙歴といった他の条件を制御した比較対照の結果、身長体重から求められる肥満度指数(BMI)で「過体重」に分類されたグループのほうが、「普通体重」とされたグループよりも死亡リスクが6%低かった。
またBMIで30以上35未満のやや肥満にあたる「肥満度2」のグループでは、同じ対象期間の死亡リスクが5%低かった。しかしBMI35以上(肥満度3、4)の本格的な肥満となると、死亡率は「普通体重」に比べて29%も上昇した。
肥満は健康に悪いが、多少の体重過多なら健康にプラスに働き得ることを説明できる理由は、幾つかあると研究チームは指摘。例えば、体脂肪が増えると心臓を保護するという代謝利点が得られる可能性や、脂肪の蓄積に余分があったほうが食事が困難な疾患時などに強いといった点を挙げている。
元論文のタイトルは、”Association of All-Cause Mortality With Overweight and Obesity Using Standard Body Mass Index Categories”です(論文をみる)。
記事の用語がわかりにくいので、以下に整理しました。
過体重(overweight、BMI of 25-<30)、肥満(obesity、BMI of ≥30)、グレード1の肥満(grade 1 obesity、BMI of 30-<35)、グレード2及び3の肥満(grades 2 and 3 obesity、BMI of ≥35)の4群を正常体重(normal weight、BMI of 18.5-<25)群と比較してハザード比を計算しています。
その結果、過体重群0.94、肥満群1.18(グレード1~3の総計)、グレード1肥満群0.95、グレード2&3肥満群1.29でした。
BMI=体重(kg) ÷ (身長(m) X 身長(m))です。BMIと身長・体重の関係 一覧表によると、身長170cmの場合、正常は53.5~69.4kg、過体重は72.3~83.8kg、グレード1の肥満は86.7~98.3kgに該当します。身長160cmの場合、正常は47.4~61.4kg、過体重は64.0~74.2kg、グレード1の肥満は76.8~87.0kgです。要するに、身長170cmの場合は98.3kg、160cmの場合は87kgまで太っても「より健康」とまでは言えないかもしれませんが、寿命は短くはないということです。
CDCのThomas Frieden所長は声明で、「肥満が不健康なことは明らかだ。糖尿病や心疾患、がん、その他多くの健康問題のリスクを上昇させる。少しずつでも持続的な運動を増やし食生活を改善することで、大きな健康改善になる」と強調しているそうですが、この論文の数字をみる限り、かなり太めでも大丈夫みたいです。
コメント
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「『より健康』とまでは言えないかもしれませんが、寿命は短くはない」けれど、自重で膝を悪くするケースはお見かけしますね。駅の階段を昇るのが辛いとかいうケースは、もっと多そうです。いざというとき逃げ遅れそうです。
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>あ*さん
その通りだと思います。長生きすれば良いという物ではありません。ただ、ちょっとびっくりする結果です。