遺伝子組換え(GM)トウモロコシの発がん性、「科学的根拠が不十分」

GMトウモロコシの発がん性、「科学的根拠が不十分」 仏専門家パネル
以下は、記事の抜粋です。


マウス実験で遺伝子組み換え(GM)トウモロコシと発がんとの関連性が示されたとする研究結果についてフランス政府に調査を要請されていた2つの専門家パネルは10月22日、裏付けとなる科学的根拠が見当たらないと報告した。

仏Caen大学のGilles-Eric Seralini氏らの研究チームは9月、モンサント社製の遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」と、同じくモンサント製の除草剤「ラウンドアップ」の両方、または、これらのいずれかを与えたマウスに腫瘍ができたと発表した。

これを受けて仏政府から研究結果の信ぴょう性について調査するよう要請されたバイオテクノロジー高等評議会(Higher Biotechnologies Council、HCB)とフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、「NK603」と「ラウンドアップ」に対する従来の安全性評価が疑われるような点は何も確認できなかったと発表した。

HCBは、「当該研究は、ラウンドアップあるいは遺伝子組換えトウモロコシNK603と健康上のリスクの関連性の有無について科学的な情報を何も提供していない」と指摘。ANSESは「因果関係を科学的に示したり、研究者によって示された結論や結論に至る過程を立証したりするには、このデータでは不十分だ」と論評した。

Seralini氏らの実験方法とデータには問題があり、トップニュースに取り上げられたいがためにマスコミを操ろうとしただけだという批判も受けている。


EUだけでなくフランスからもまともな調査結果が出ました。大騒ぎした反遺伝子組換え団体は、訂正コメントを発表するのでしょうか?

「トップニュースに取り上げられたいがためにマスコミを操ろうとしただけ」という上の記事に書かれている批判は、iPS細胞の森口事件に対する批判とよく似ています。森口事件の場合、研究者自身だけではなく、特ダネをあせる新聞側にも問題があると指摘されましたが、問題があるのは新聞などのマスメディアだけではありません。

論文を掲載する科学雑誌などのメディアが、新聞や週刊誌などよりもずっと健全かといえば、そうでもなく、ニュースになりそうな論文については引用数を意識して、査読が甘くなる傾向があると思います。実際、森口氏の研究?もそれなりの科学雑誌で発表されています。Seralini氏の論文が掲載された”Food and Chemical Toxicology”は有名のElsevier社の傘下にある雑誌ですが、どうなのでしょう?

大学などの研究機関も、「xx教授のyyに関する研究成果が新聞・テレビ等で報道されました。」などとホームページで発表し、基礎的な研究でも病気の治療と無理やり結びつけるなどして、その成果を誇張しようとすることも稀ではありません。

研究の社会的評価が新聞やテレビの報道によって高まるというような雰囲気がある限り、マスコミを操ろうとする研究者やイカサマ研究発表はこれからも続くでしょう。

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