イベルメクチン臨床試験 新型コロナの入院予防効果認められず
以下は、記事の抜粋です。
寄生虫が原因で失明などが引き起こされる感染症の特効薬「イベルメクチン」について、新型コロナウイルスの患者に投与しても、入院に至るリスクを下げる効果はなかったとする臨床試験の結果を、ブラジルなどの研究グループが発表しました。
研究グループは、去年3月から8月にかけて、肥満や糖尿病、高血圧など、新型コロナの重症化リスクがある18歳以上の患者1358人について、発症から7日以内に「イベルメクチン」を一日に1回、3日間、服用するグループと偽の薬を服用するグループに分けて経過を調べました。
その結果、4週間以内に入院するか救急外来を受診した患者は「イベルメクチン」を服用したグループで14.7%、偽の薬のグループでは16.3%で、統計学的に有意な差は見られなかったということです。また、発症から7日目での体内のウイルス量の減少や回復するまでの期間、それに死亡するリスクについても差は見られなかったとしています。
今回の臨床試験は、患者も、投与する医師の側も「イベルメクチン」か偽の薬か分からない客観性が高い方法で行われていて、研究グループは「イベルメクチン」は新型コロナの発症後すぐに投与しても、症状が悪化して入院に至るリスクを下げる効果が認められなかったとしています。
元論文のタイトルは、”Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covid-19(Covid-19患者におけるイベルメクチンによる早期治療の効果)”です(論文をみる)。
今年の1月31日にイベルメクチンを作っている興和が、「イベルメクチンのオミクロン株への抗ウイルス効果を確認」という怪しいニュースが出たばかりですが、残念ながら圧倒的にこの記事の情報のエビデンスが強いです。効果がないだけなら良いですが、錯乱、運動失調、痙攣、低血圧などの有害作用も報告されているので(記事をみる)、新型コロナウイルス感染に対してイベルメクチンを飲むことは、「副作用あって、一利なし」です。
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