以下は、記事の抜粋です。
原爆の爆心地から2キロ以内で被爆するなど、被ばく線量が高い両親から生まれた子ども「被爆2世」は、親のどちらかが被爆した子どもに比べて白血病になる確率が5倍以上高いとする研究結果を広島大学の研究チームが9月7日、「日本放射線影響学会」で発表しました。研究チームは、原爆に被爆した人から生まれた子ども「被爆2世」のうち、被爆後10年以内に生まれたおよそ6万3000人について、生後35年間、追跡調査をしてきたということです。
爆心地から2キロ以内で被爆した両親の子どもは1326人のうち3人、また、原爆投下から3日以内に広島市に入り被爆した両親の子どもは2337人のうち7人が白血病になっていることが分かったということです。これを親のどちらかだけが被爆した子どもと比べると、白血病になる確率が5倍以上高くなったということです。
研究チームの鎌田医師は「被爆2世への遺伝的影響はこれまで確認されていないが、今回の研究は影響解明の突破口になる可能性があり、今後も広島の科学者として研究を続けたい」と話しています。
1326人のうち3人、2337人のうち7人という数字にどれだけの意味があるのか、これだけの記事ではわかりません。また、広島に原爆が投下されたのが1945年ですので、「被爆後10年以内に生まれた人についての生後35年間の追跡調査」の結果は、最速であれば1990年にわかるはずです。
発表した研究者らも被爆者差別を煽りたいわけではないと思いますが、できれば学会発表で終わらず、論文として科学的信頼性の高いデータを発表して欲しいと思います。被爆した両親から生まれた子供に白血病が多いかどうかを知りたければ、わざわざヒトのデータを使わなくても、世代時間が短いマウスを使って、線量を一定にし、コントロールをしっかりとって調べた方が良いのでは?
コメント
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という程度にしか捉えられない結果発表であり、私も「そういう主張もあるんだ」と頭に入れている程度です。さらなる研究が待たれます。
それにしても、マウスで実験する場合は、どういう被曝をさせればいいのでしょうか。先生は、どういう実験計画になさいますか? どういうふうにして悪い結果が出ても「それは実際の原爆による被曝とは違うから」と核物質飛散による環境汚染の健康被害を否定される可能性が高く、実験しても意味がないようにも思います。どうなのでしょうか。
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>あ*さん
コメントありがとうございます。マウスの場合、動物用のX線照射装置を使うことになると思います。他の放射線をあてようとすると、設備をもったところとの共同研究になると思います。ご指摘はごもっともですが、少なくとも爆発の瞬間の被曝の影響を推測することはできると思います。
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>takさん
お返事ありがとうございます。「X線だけでも、こうですよ」という結果が出るかも知れないならば、やってみる価値があるというのは仰るとおりです。でも、他のテーマを差し置いてまでやるか?——と言われたら、現状では私だったらやらないと思いました。
「少なくとも爆発の瞬間の被曝の影響を推測」することで、両親が被曝した場合の疫学調査の公表が避けられる社会状況ならば、人道的な観点から、X線照射実験をやる動機が持てたでしょう。残念ながら、現状では、両親が被曝した場合の疫学調査は(人道的な問題を含みますが)出た結果は淡々と公表し、解釈は受け手に任せるしかないものと考えます。
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>あ*さん
全く同感です。マスコミのセンセーショナリズムが受け手の判断をゆがめなければ良いのですが、、、