新型コロナとインフルワクチンの同時接種は安全か
以下は、記事の抜粋です。
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種できれば、医療現場の負担減少につながる。米国ではワクチン接種率を高めるために同時接種も可としているが、日本では現時点で互いに片方のワクチンを受けて2週間後に接種可となっている。
今回、多施設共同無作為化試験で、新型コロナウイルスへのアストラゼネカ製ワクチンもしくはファイザー製ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種により安全性の懸念は引き起こされなかったことが示された。また、両ワクチンに対する抗体反応も維持されていた。
本試験では、2021年4月1日~6月26日に英国における12施設で、新型コロナワクチンの初回接種を受けた成人679人を登録し検討した。
その後、新型コロナワクチンの2回目接種と一緒にインフルエンザワクチンもしくはプラセボを接種し、その3週間後にインフルエンザワクチン接種者にはプラセボを、プラセボ接種者にはインフルエンザワクチンを接種し、6週間観察した。前者には340人、後者には339人が無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、インフルエンザワクチンもしくはプラセボの接種後7日間に参加者から報告された1つ以上の特定全身反応であり、差が25%未満であれば非劣性とした。また、局所および非特定全身反応、液性応答も評価した。主な結果は以下のとおり。
・6グループのうち、4グループでは非劣性を示した。一方、2グループでは、95%CIの上限が非劣性マージンを超えた。
・ワクチン接種による全身反応のほとんどが軽度もしくは中等度だった。
・局所および非特定全身反応の割合は、無作為に割り付けられた2群間で同様だった。
・重篤な有害事象は重度の頭痛による入院の1件で、試験的介入に関連していると考えられた。
・免疫応答への影響はなかった。
研究者らは「来シーズンに、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンを一緒に接種することで、ワクチン接種のための医療現場の負担が軽減され、ワクチンが必要な人々へのタイムリーなワクチン投与とCOVID-19とインフルエンザの予防を可能になる」と考察している。
これまでの新型コロナウイルスに対するワクチンの抗体価の減少速度やワクチン2回目接種完了国での感染拡大の様子を見ていると、新型コロナウイルスを世界レベルで制圧するには、毎年の予防接種が必要になる可能性が高いといます。
今回のオミクロン株のように新しい変異が発生する可能性もありますが、mRNAワクチンは比較的簡単に変異に対応できるので、インフルエンザワクチンのように、流行が予想される複数の株の配列を持った混合ワクチンをインフルエンザワクチンと同時に接種するのが、記事にも書かれているように、効率的だと思います。
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