「若者には介護をさせない」―熟年ベンチャー「かい援隊本部」の船出から高齢化社会の未来を考える
以下は、記事の抜粋です。
「若者に介護はさせない。2025年の介護分野における100万人規模の人手不足の解決を図る」。こうした大義を掲げた介護人材派遣業の株式会社「かい援隊本部」が、2012年4月1日に活動を開始した。
同社のビジネスの特徴は、「元気高齢者による高齢者の介護」。団塊の世代が80歳前後になる2025年に日本は深刻な介護スタッフ不足に直面する可能性があるという。「若い世代は介護以外の場で働いてほしいです。いろんな問題をこれまでの日本では私たちは先送りの名目で、次の世代に付け回してきました。私の世代の問題は私が解決に向かわせたいのです」。創業者の新川政信会長(60)は話した。
介護をする人、される人の年齢が近いゆえにコミュニケーションを取りやすく、共に心と体の負担をかけない介護ができると期待できる。年金受給者層の人を介護スタッフとして報酬を伴う社会貢献活動にいざなうことで収入と活力の維持を図る。
「高・介併進策」と名付けた介護の人手不足解消と高齢者の生涯雇用のステージの確保、補助金なしで社会に負担をかけない社会性、知識や経験を持つ元気高齢者の力を活かすなど、さまざまな社会に役立つ工夫をビジネスプランの中に盛り込んだ。すでに介護施設と契約を結び、滑り出しから多忙になった。
新川会長は「このままでは家族の介護・看護のために、若者の仕事が奪われます。一方で団塊の世代が80歳を迎えようとする2025年には介護難民があふれかねません。それを元気高齢者の力でなくしたいのです」と起業の大義を強調した。
高齢者が当事者自身で問題を解決しようとする「かい援隊本部」というビジネスがスタートしたというニュースです。実際に動きだしてみればいろいろな問題が発生する可能性はありますが、大変おもしろく素晴らしいアイディアだと思いました。
今年1月6日、厚労省の労働政策審議会が、希望者全員を65歳まで雇用するよう企業に求める内容の建議を大臣に提出したことを批判している部分にも同感です。
さて、冒頭に曹操の「歩出夏門行」の一部が引用されています。以下にもう少し長く引用します。これも一部です。全体を見たい人はこちら。
神亀雖寿 猶有竟時 騰蛇乗霧 終為土灰
老麒伏櫪 志在千里 烈士暮年 壮心不已
盈縮之期 不但在天 養怡之福 可得永年
神のような亀は寿命が長い しかし、いつかは死ぬ時がくる
龍は空に昇って霧に乗る しかし、いつかは死んで土くれになる
駿馬は老いて馬屋に伏しても その志は千里を駆ける
烈士(殉職者)は人生の終わりにも 勇壮な心を失わない
命の長短は 天だけはで決まらない 身心の安定に努めればのびる
1800年前、曹操は32歳でこの詩を詠んだそうです。
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