COVID-19根絶の可能性

COVID-19根絶の可能性―天然痘やポリオとの比較
以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を根絶させられる日は訪れるのだろうか?
その可能性は、天然痘より低いもののポリオよりは高く、おそらく根絶可能であるとする、Michael Baker氏らの論文が掲載された。

Baker氏らの研究手法は、ワクチンで予防可能な感染症の根絶可能性を左右する17項目の因子について1~3点のスコアを付け、平均スコアを比較検討するというもの。評価した因子は、既報研究を基にしつつ、新たに数種類を追加して構成した。具体的には、効果的で安全かつ安価なワクチンの入手可能性、自然感染後またはワクチン接種後に終生免疫を得られるか否か、簡便で信頼性の高い診断法、公衆衛生対策の効果などが含まれていた。

比較対象とする感染症には、天然痘とポリオ(3種の血清型のうちの2種)が設定された。

17因子のうちのいくつかを個別に比較すると、ワクチンの入手可能性については天然痘3点、ポリオとCOVID-19は1点、終生免疫については天然痘3点、ポリオ2点、COVID-19は1点、簡便で信頼性の高い診断法については天然痘3点、ポリオとCOVID-19は1点と評価された。また、社会経済的な因子として、疾患管理に関する情報を行政府がコントロール可能か否かが検討された。この点については、天然痘3点、ポリオ2点で、COVID-19は1点と評価された。

平均スコアは、天然痘が2.7点(関連性の乏しい1項目を除いた16因子で評価され、48点中43点)で最も高く、COVID-19は1.6点(51点中28点)、ポリオは1.5点(51点中26点)であり、検討された3種類の感染症でCOVID-19は中間にランクされた。天然痘やポリオと比較して、COVID-19の根絶には、ワクチン接種を受けようとしない人が一定数存在すること、免疫を回避し感染力の強い変異株出現の可能性があることなどが、解決すべき課題として浮かび上がった。

Baker氏は、「われわれの研究には多くの主観的判断を伴っており、より広範で詳細な検討が必要だ。ただ、主として技術的な実現可能性の観点からは、COVID-19根絶の可能性があるように感じられる」と述べている。変異株の脅威についても、「ウイルスの変異には限界があり、最終的には新たに開発されるワクチンの効果が期待できるようになるだろう」とのことだ。


元論文のタイトルは、”We should not dismiss the possibility of eradicating COVID-19: comparisons with smallpox and polio(COVID-19撲滅の可能性を捨ててはならない:天然痘やポリオとの比較)”です(論文をみる)。

この「論文」は、Commentaryなので論文というよりはむしろ「解説」とか「コメント」と呼ぶべきものですので、残念ながらそんなに強いエビデンスが示されている訳ではありません。

インフルエンザや結核のように、根絶はできなくても緊急事態宣言のない通常の社会体制や医療従事者に負担がかかり過ぎないような医療体制でコントロールできるようになれば良いと思います。

日本の現状は、急速なワクチン接種の普及によりその状況に近づいているような気がしています。

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