河野担当相が明かす 日本でのワクチン接種が遅れた“本当の理由”
以下が”本当の理由”が書かれた部分の抜粋です(記事のごく一部です)。
河野)日本でワクチン接種のスタートが遅れたというのも、去年(2020年)の7月にファイザーが「国際的な治験をやるぞ」と言ったときに、欧米と比べて、当時は感染者数が2桁ほど少ないから、日本で治験をやっても時間がかかるだけで意味がない、ということで外されたのです。
飯田)そうなのですか。
河野)そのときにファイザーは、アメリカに住んでいる日本人を集めて国際治験のなかに入れてくれていたのです。日本からアメリカに行っている駐在員の方や、留学生の方など日本人を百何十人集めて国際治験のなかでやって、「日本人も取ったデータがあるよ」ということだったのです。しかし厚労省が、「アメリカと日本では食べ物なども違うから、それはダメだ」と言って、再度、10月に日本で160人の治験をやったのです。それでスタートが遅れてしまった。平時ならそういうことがあってもいいのかなとは思いますが、有事のときにはリスクとベネフィットを評価して、どう判断するのかを考えなくてはいけないと思いますし、国民の皆さまにも、そういうことをご理解いただくということが大事なのかなと思います。
「アメリカと日本では食べ物なども違うから、それはダメだ」という論理はもっともらしく聞こえますが、今では日本とアメリカの食生活はそれほど違いませんし、遺伝子も中国人や韓国人ともほとんど同じです。いちいち全ての新薬の臨床試験をやることは、外国からの新薬の侵入をブロックしてもらえる日本の製薬企業にとってはメリットがあっても、国民にはメリットがありません。
外国で臨床試験をクリアした新薬に対して、日本で改めて臨床試験を国内で繰り返させることで守られてきた日本の製薬企業は、この過保護政策によって国際競争力を失ってしまいました。国内トップのタケダでさえ、世界のトップ10には入っていません。この辺りがワクチン開発が遅れた本質的な理由です。
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