大相撲における障害対策の不備について…土俵でケガをした力士が亡くなっても変わらない?

響龍さん死去 28歳 春場所取組で倒れ入院、寝たきり続き急性呼吸不全で
記事に書かれている負傷時の対応が非常にお粗末です。以下は、記事の抜粋です。対応についてはそのまま転載しています。


大相撲の境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さん(本名・天野光稀)が4月28日、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。28歳だった。日本相撲協会が29日、発表した。

響龍さんは3月の春場所13日目の取組で、すくい投げを食った際に頭から落ちた。意識はあったがうつぶせ状態のまま立つことができず、倒れてから約1分後に、呼び出し3人があおむけにした。審判の親方衆や医師らが容体をうかがうなどし、倒れてから約6分後に担架に乗せられて土俵を降り、都内の病院に救急搬送されていた。響龍さんは救急搬送された際、協会関係者に体のしびれを訴えていた。

関係者によると、響龍さんの入院生活は続いていたというが、徐々にまひした体が動くようになっていたという。しかし、28日に容体が急変。同日に死去した。取組でのアクシデントがきっかけとなった死去は、異例。寝たきりの状態が続いており、肺血栓を患っていたという。


整形外科医の有田氏がブログで、今回の相撲協会の障害対応の不備を鋭く突いておられます(ブログをみる)。以下は、ブログからの引用です。


特に受傷直後はうつ伏せになっていたため、下手すると窒息する可能性もあるため呼吸が確保できてるかの確認は一刻を争う事態です。うつ伏せで倒れてる状態で1分間程度放置、頚椎損傷であれば非常に危険な方法で仰向けにされた後、さらにしばらく放置です(唖然)。医師らしき人が到着するまで4分以上経過し、モタモタしながら搬送されていきます。腕が脱力してるし、どう考えても頚椎損傷を第一に考えて処置するべき状況です。トップリーグの現場だったら、受傷後数秒でチームドクターがコンタクトして頭部をホールドしているはずです。


ブログには、「医師や搬送スタッフが全く訓練を受けていない」として、詳しく日本相撲協会が用意している医師や搬送スタッフの対応がいかにマズかったかが詳しく書かれています。私も同感です。

相撲は、防具を付けない非常に激しいコンタクトスポーツです。特に、近年は力士の体重が200㎏を超えることも珍しくないにも関わらず、土俵から転落した際の衝撃から力士を守るためのルール変更などは全くされていません。ケガで休場する力士の数が多いと嘆くだけで、ケガを減らすような改革を早急にしなければ、休場力士の数が増えて面白味が減るだけでなく、今回のような犠牲者がまた出る可能性は高いと思います。

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