福島から避難している子どもの甲状腺検査に変化がみられたとする報道に関しての学会声明

日本小児内分泌学会が見解を発表「長野で発見された小児の甲状腺異常は被曝の影響ではない」

以下は、記事の抜粋です。


日本小児内分泌学会は10月11日、今月4日に各メディアで「福島県から長野県に避難している子どもの甲状腺検査に変化がみられた」と報道された件について、「検査値の基準値からの逸脱はいずれもわずかで、明らかな異常とは判定できない値だった。中には経過観察が必要な小児もいたが、放射線被曝と直接結びつけて考慮すべきものではない」との見解を公表した。

報道された甲状腺検査は、長野県松本市のNPO法人と信州大学付属病院が、福島第一原子力発電所事故後に長野県に避難した福島県の子どもを対象に行ったもの。130人中10人で、甲状腺ホルモンが基準値を下回るなどの変化があった。

同学会が信州大からデータを取り寄せて検討した結果、遊離サイロキシンが基準範囲を下回った1人については下回る程度が小さく、甲状腺刺激ホルモンに異常を認めなかったため、臨床的に問題ないと判断した。また、甲状腺刺激ホルモンが基準範囲を上回った7人については、変化が臨床経験上、甲状腺に疾患がなくても見られる程度であり、再検査が必要と位置付けた。サイログロブリンが基準範囲を上回った2人に関しては、甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの値が基準範囲内であり、甲状腺機能異常とはいえないとした。

また、被曝後数カ月で甲状腺疾患が発症するには、相当量の放射性ヨウ素の被曝を受けたことになるが、比較的高線量の被曝の恐れがあるとされた子どもでも、甲状腺機能に変化を起こすような線量の被曝が報告されていないことから、「検査値の逸脱と放射線被曝を結びつけて考慮すべき積極的理由はない」と結論付けた。


学会声明のタイトルは、「長野県において福島県から避難している子どもの甲状腺検査に変化がみられたとする報道に関しての学会声明」です。上の日経メディカルオンラインの記事は、声明のポイントをまとめたものです。声明には実際の数値も書かれています(声明をみる)。

関連記事で、この件を報道した毎日新聞の記事について「記事にはNPOの意見だけが書かれていて、信州大の担当者の意見が書かれていません。専門家であれば、この年頃の子供のホルモン値のバラつきがどれぐらいあるのかは知っているはずです。無責任に不安を煽るだけの記事だ」と書きましたが、それが裏付けられたと思います。しかし、この声明を毎日も他のマスコミもまったく報道していません。

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