高齢女性のサプリメント摂取は死亡リスクの上昇と関連する

サプリメントの摂取は大半の人で不要、逆効果も 研究
以下は、記事の抜粋です。


ビタミンサプリメントの摂取は大半の人では必要ない。それどころか、年配女性では死亡リスクが高くなる恐れもある。10月10日、このような研究結果が発表された。

東フィンランド大とミネソタ大の研究チームは、米アイオワ州の女性を対象にした健康調査のデータ(参加人数3万8772人、平均年齢62歳)を分析した。1986年、1997年、2004年のサプリメントに関する自己申告を見ると、当初サプリを使用していたのは全参加者の66%だったが、04年にはこの割合が85%に上がった。

サプリを使用している人は健康的なライフスタイルを示す指標が高かった。使用していない人よりも非喫煙者が多く、低脂肪食の割合が高く、運動量も多かった。

ただし、サプリを使用した人の死亡リスクが使用しない人よりも高くなるケースも多数あった。特に、鉄分のサプリは総死亡リスクの上昇と強く、かつ用量依存的に結びついていた。一方で、カルシウムのサプリは一貫して総死亡リスクの低下に結びついていた。用量依存性は不明という。

今回の結果を受け、医師らは、栄養不足を解消するために必要な場合を除き、摂取した場合のリスクを考慮すべきだと呼び掛けている。


元論文のタイトルは、”Dietary Supplements and Mortality Rate in Older Women”です(論文をみる)。

記事では鉄分のことだけが書かれていますが、論文をみると、ハザード比は、総合ビタミン剤(1.06)、A(1.06)、βカロテン(1.10)、B6(1.10)、葉酸(1.15)、鉄(1.10)、マグネシウム(1.08)、亜鉛(1.08)、銅(1.45)、セレニウム(1.09)で上昇していました。ハザード比が低下したのは、カルシウム(0.91)だけでした。B複合体、C、D、Eなどのビタミン摂取では変化がありませんでした。

結局、高齢の女性が積極的に摂取してよいのはカルシウムだけのようです。アメリカのサプリ業界の規模は、約200億ドル(1兆5000億円)だそうですが、このような論文の情報が正しく伝わると大変なことになりそうです。

コメント

  1. taniyan より:

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    tak先生
    お早う御座います。
    何時も有意義な情報感謝しています。
    自分も70過ぎですが、サプリ若干服用中、vitaminEなんかは接収過ぎでeventrisk上昇と聞いてますので微量摂取、他にCも若干、Caは摂取したいと思ってますが動脈のCa沈着が酷いので逆効果になるかと心配で躊躇。
    この辺がどうなのか情報不足、Ca、vitaminD3の合剤数箱保有してますが眠ってます。
    本日も授業、研究活動お疲れ様です。
                  taniyan

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