検疫官の新型コロナウイルス感染…一般の医療機関で安全にサンプル採取ができるのか?

新型コロナ 英国籍の男性死亡 女性検疫官も感染
小さく報道されていますが、検疫官の感染はこれで3人目です。以下は、記事の抜粋です。


厚生労働省によりますと、イギリス国籍の男性はクルーズ船で感染が確認された705人のうちの1人で、2月28日に死亡したということです。男性の年齢や乗客乗員のどちらかなのかは「遺族の意向が確認できていない」として明らかにされていません。クルーズ船に乗っていた人で死亡したのはこれで6人で、外国籍の人は初めてです。また、横浜検疫所の30代の女性検疫官が感染していたことが判明しました。クルーズ船で活動した検疫官の感染者は3人になりました。この女性は3日から25日までの間の5日間、検体採取の補助などを担当していました。


この「30代の女性検疫官」はクルーズ船内でウイルス検査のために乗客や乗員の喉の奥をぬぐって粘液を採取する作業の補助をしていたとされています(採取マニュアルをみる)。

このような作業を行うにはウイルスの保菌者との濃厚接触が避けられず、新型コロナウイルスのように感染力の強いウイルスの場合は、新型インフルエンザの場合と同様、医療従事者を保護するために、患者の咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐための防護服(PPE、personal protective equipment)一式を装着することが必要とされています。具体的には、・ ガウン
・ 手袋・ ゴーグルまたはフェイスシールド・ マスク(N95 またはそれと同等レベル)・ 必要に応じてゴムエプロンおよびゴム長靴の着用も考慮することになっているはずです。また、新型インフルエンザの場合は、十分な防護装具なしに患者由来検体を取り扱った者は、健康観察や抗インフルエンザ薬の予防投薬等を行うことになっていました。

一方、2月25日に出された政府の基本方針では、「今後、患者数が大幅に増えた地域では、重症化した患者向けの医療体制を確保するため、症状が軽い人は、自宅での安静・療養を原則とするほか、診療時間や動線を区分するなどの対策を講じた上で、一般の医療機関でも患者を受け入れるとしています。」とされています(記事をみる)。

おそらく防護服を着用していたと思われる検疫官が感染したことは、新型コロナウイルス検査のための検体採取は、極めて危険な作業であることを示唆しています。一般の医療機関でこのような作業を行うことができるのか非常に疑問です。

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