ペットが糖尿病なら、飼い主も危ない?
以下は、記事の抜粋です。
飼い犬が糖尿病の飼い主は、飼い犬が糖尿病ではない飼い主と比べて、2型糖尿病の発症リスクが有意に高い(約1.3倍)ことがデータで明らかにされた。飼い猫と飼い主には、そのような関連性は認められなかったという。
ウプサラ大学のRachel Ann Delicano氏らが、飼い犬と飼い主のペア約21万組、飼い猫と飼い主のペア約12万組について行った縦断研究の結果を報告した。飼い犬と飼い主は、身体活動量など特定の健康行動を共有する場合がある。以前に行われた横断研究で、飼い犬と飼い主における肥満について関連性があることが示されていたが、飼い犬と飼い主および飼い猫と飼い主で糖尿病リスクを共有するのか調べた研究はこれまでなかった。
研究グループは、スウェーデンで暮らす犬の40%、猫の23%をカバーするペット保険の情報と、保健福祉庁などのレジストリを基に、2004~06年の飼い犬と飼い主のペア20万8,980組、飼い猫と飼い主のペア12万3,566組を対象に登録ベースの縦断研究を行った。
追跡期間中の2型糖尿病罹患率は、犬の飼い主が7.7/1,000人年だったのに対し、猫の飼い主では7.9/1,000人年だった。ペットの糖尿病罹患率は、犬が1.3/1,000匹年、猫が2.2/1,000匹年だった。飼い犬が糖尿病ではない飼い主と比較した、飼い犬が糖尿病の飼い主の2型糖尿病発症に関する補正前HRは、1.38(95%CI:1.10~1.74)、多変量補整後HRは、1.32(1.04~1.68)だった。
なお、猫の飼い主の2型糖尿病と飼い猫の糖尿病については、有意な関連は認められなかった。
結果を踏まえて著者は、「糖尿病の犬は、糖尿病を引き起こす健康行動や環境曝露を共有するための番犬(sentinel)としての務めを果たす可能性がある」とまとめている。
自分の飼い犬を1日2回、少なくとも計1時間の散歩に連れて行くことが、近々ドイツで法律で義務化されるかもしれないというニュースがありました(記事をみる)。おそらく、同じヨーロッパのスウェーデンでも人々の犬の散歩に対する意識は日本よりも強いのではと思うので、日本で同じ研究をすればもっと差がはっきりするかもしれません。猫がヒトと相関しないのは流石だと思います。
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