【帝人ファーマ】痛風治療薬「フェブキソスタット」のグローバル展開拡大
以下は、記事の抜粋です。
帝人ファーマは、世界戦略製品に位置づける高尿酸血症治療剤フェブキソスタットについて、トルコ・メキシコ・カリブ海諸国・中東・北アフリカ地域で独占販売契約を締結した。今回の契約によって、フェブキソスタットの販売地域を拡大し、全世界売上高1000億円の目標に向け、国際展開を加速させる方針。
同社は、フェブキソスタットの欧州販売を行う伊メナリーニに対し、トルコでも独占販売権を導出した。また、メキシコ・カリブ海諸国では、米国でフェブキソスタットを販売中の武田薬品米子会社「TPNA」に対し、メキシコ・ドミニカ共和国をはじめ、カリブ海諸国を加えた18カ国で、独占販売権を導出。一方、中東・北アフリカでは、レバノンの製薬企業「アルゴリズム」とレバノンやサウジアラビア、エジプトなど16カ国における独占販売契約を結んだ。
既にフェブキソスタットは、導出先企業を通じて、欧米9カ国で販売が行われている。欧州では今後、メナリーニが順次、販売地域を拡大していく予定。さらに韓国・中国・香港・台湾についても、導出先企業による開発が進行中だ。一方、国内については、帝人ファーマが1月に「フェブリク」の製品名で承認を取得、3月に薬価収載を受けており、現在発売準備段階にある。
血清の尿酸値が上昇し、尿酸が結晶化して関節に激しい痛みをおこす痛風は、進行すると腎障害をもたらし死に至ることもあります。肉類やビール等のプリン体摂取量の増加が要因とされ、現在、国内での痛風患者数は約30万~50万人、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた高尿酸血症患者は約200万人とされています。
尿酸降下薬として、これまで日本で使用できる排泄促進薬は3種ありましたが、生成抑制薬はアロプリノール(ザイロリック®)だけでした。アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼ(XOD)を阻害して尿酸の産生を阻害し、痛風の予防薬、治療薬として広く用いられています。しかし、皮膚粘膜眼症候群(スチーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)という重大な致死性の副作用があります。特に、腎機能が低下している場合は、排泄の低下により副作用がおこり易くなります。
フェブキソスタットは、帝人ファーマが創製した世界初の「非プリン型XOD阻害剤」です。腎排泄ではなく、胆汁排泄なので、腎機能が低下した患者にも使えるそうです。すでにアメリカではかなり処方されているようです(2009年度の米国売上高で約100億円を達成できる見通し)。創薬した日本での発売が欧米よりも遅いのは、やはりドラッグ・ラグがあるということでしょうか?
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