新型コロナウイルス感染症の現状と将来予想

兵庫区役所職員が2月18日にライブハウスで感染したとしての話ですが、彼女はその後も発熱することなく毎日勤務しており、現在もほぼ鼻水程度の症状だということです。とするとこの人は、感染後ほぼ3週間後までウイルスを排出していた可能性があります。この症例だけでなく、大阪府で3月8日に新たに感染が確認された男女14人(うち10人はライブハウス関連)は全員無症状か軽症だと報道されていますので、同じように長い間元気でウイルスを排出していたと思われます。一度検査陰性になっても、かなり後になって再度陽性になる人も報告されているので、一般的に用いられている2週間の隔離期間では、感染を閉じ込めるのには不十分です。

一方、コロナウイルスにはもともと多くの種類があります。このブログでも紹介したように、武漢で新しく発生したコロナウイルスにも、重症になることが多い強毒性のもの(L型)と軽症が多い弱毒性のもの(S型)があったことがわかっています。研究によると、発生当時にはL型多かったのですが、中国での重症患者を中心とした医療政策によって、現在はS型が多くなっているそうです。日本での遺伝子解析はまだ報告されていませんが、中国と同じように重症患者を中心に隔離・治療しているので、放置されている軽症型が増えつつあると思われます。

政府は、37.5℃以上の発熱が4日続いたら帰国者・接触者センターと相談するようにと言っていますが、上に書いたようにライブハウス関連の人たちの多くは軽症で、感染者の濃厚接触者をたどってはじめて見つかりました。つまり、今の日本のやり方では、37.5℃以上の発熱が4日続く感染者と、感染者と濃厚接触した感染者以外はみつからないという事です。現在公表されている感染者数は約1,000人ですが、実際の感染者は大雑把ですが1~10万人で、多くは無症状か軽症だと思われます。このような見逃されやすい軽症患者はどんどん増えているはずです。しかし、感染者の濃厚接触者をたどって感染者を発見することは、医学的には興味深いとしても、多くの軽症患者は見逃されてしまうので、感染防御対策としてはあまり意味がありません。また今のような市中感染化した状態での水際作戦の強化にもほとんど意味はありません。このまま重症患者に絞った対策に重点を置き、もっともっと充実させる必要があります。

ということで、今健康そうに街を歩いている人の中にも新型コロナの感染者が1,000人に1人ぐらいはいると思われます。そのほとんどは無症状~軽症型です。上にも書いたように、軽症型は今の隔離期間や発熱による検査網には引っかからないので、このような無症状~軽症型の感染者がどんどん増えてあっという間に100人に1人、10人に1人、、、になると思います。このペースで無症状~軽症型が増え続けて、国民の大半が感染してある程度の免疫を獲得している状態になってはじめて、新型コロナウイルス感染は落ち着くことになると思います。

対策としては、月並みですが、手洗いと30マスク、大勢の人のいる閉鎖空間には極力行かない、病院(特に感染者の集まる)にはできるだけ行かないなどです。余談ですが、100人以上の観客が熱狂的に立って踊るようなライブハウスと小さくて落ち着いた音楽を演奏するライブハウスでは感染の可能性がまったく違うと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする