前立腺がんリスク減少にコーヒーが効果

前立腺がんリスク減少にコーヒーが効果、米研究

以下は、記事の抜粋です。


前立腺がんの予防については、コーヒーはたくさん飲むほど良いとする研究結果を5月17日、ハーバード公衆衛生大学院が発表した。

コーヒーをまったく飲まない男性に比べて、1日6杯以上のコーヒーを飲む男性のほうが、死に至る前立腺がんにかかるリスクは60%、前立腺がん自体が発現するリスクも20%低いことが、この研究で明らかになった。1日1~3杯のコーヒーでも、死に至る前立腺がんにかかるリスクは30%低かった。カフェイン含有の有無による効果の差はなかった。研究者たちは、コーヒーの成分が持つ抗酸化作用や抗炎症作用と、前立腺がんリスクの低下に関係があるのではないかと考えている。

今回の研究では4万7911人の米国人男性を対象に、1986年から2008年までの間の4年ごとに飲んでいるコーヒーの量を調査した。この研究期間中に計5035件の前立腺がん診断が報告され、そのうち642件については転移や死亡が報告された。

コーヒー常用者における前立腺がんリスクの低下は、喫煙や運動不足など、がんリスクが増大するとされる他の要因を加えても認められた。


元論文のタイトルは、”Coffee Consumption and Prostate Cancer Risk and Progression in the Health Professionals Follow-up Study”です(論文をみる)。

コーヒーは、カフェイン、ミネラル、フィトケミカルなど多くの生理活性物質を含んでいます。また、長期のコーヒー摂取は糖代謝やインスリン分泌を改善することも報告されています。さらにコーヒーは、強力な抗酸化作用を持ち、性ホルモンレベルにも影響するといわれています。

これまでにもコーヒー摂取は、2型糖尿病リスクを減らすことは知られていました。そこで、研究者らはインスリン、抗酸化作用、アンドロゲンなどと関連が深い進行型の前立腺がんとコーヒー摂取の関係を調べたそうです。

論文によると、これまでにも同様の調査はありましたが、前立腺がんリスクがコーヒー摂取と逆相関するという報告は無かったそうです。今回初めて明らかになった理由として、対象人数を増やし、死に至るタイプと進行型の前立腺がんに注目して調べたからではないかと研究者らは推測しています。

おもしろいのは、一般にコーヒーをたくさん飲む人はタバコも多く吸う傾向があるにもかかわらず、このような結果が出たということです。カフェインではないそうですが、どんな成分に効果があるのか知りたいところです。

コーヒーを定期的に摂取する男性は、進行型の前立腺がんに罹患するリスクが低いということですが、他の作用もあるかもしれないので、前立腺がんリスクを下げるためにコーヒーを飲むのは時期早尚と研究者らは言っています。それでも、私のように人差し指よりも薬指が長い男性にとっては良いニュースです。

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