グルコサミンに関節の痛みを改善する効果はない。二重盲検ランダム化プラセボ対照臨床試験より

Effect of Glucosamine on Pain-Related Disability in Patients With Chronic Low Back Pain and Degenerative Lumbar Osteoarthritis(慢性腰痛・変形性腰椎症患者の疼痛関連障害に対するグルコサミンの効果)

以下は、論文の要約です。


背景: 変形性腰椎症による慢性腰痛は、成人に広く認められる。グルコサミンは、慢性腰痛の患者によって服用される例が増加しているが、その効果についてはほとんど知られていない。

目的: 慢性腰痛・変形性腰椎症患者に対するグルコサミンの効果を調べる。

状況、患者など: 二重盲検、ランダム化プラセボ対照臨床試験が、6ヶ月間以上慢性腰痛・変形性腰椎症に悩む250人の25歳以上の患者に対して、ノルウェーオスロ大学病院外来で行われた。

治療介入: 経口グルコサミン(1500mg/day, n=125)あるいはプラセボ(n = 125)を6ヶ月間服用。服用後6ヶ月と1年後(服用中止後6ヶ月)に効果判定。

結果: 6カ月後・1年後の時点ともに、判定項目とした疼痛関連障害(RMDQ、主要項目)、安静時と活動時腰痛、QOL(EQ-5D)の改善において、グルコサミン群とプラセボ群の間に有意な差は認められなかった。


グルコサミン(Glucosamine、化学式C6H13NO5)は、グルコースの一部の水酸基がアミノ基に置換されたアミノ糖の一つです。サプリメントのサイトでは以下のように紹介されています(サイトをみる)。


グルコサミンは、細胞と細胞どうしを結びつける結合組織としてのはたらきがあり、特に 膝や腰などの間接部分の細胞の新陳代謝において効果を発揮しています。

グルコサミンは、もともと体内でも合成される成分ですが、加齢とともに、だんだんとグルコサミンの合成力は減少していきます。そして、グルコサミンが減少していくと、関節と関節をつなぐ軟骨がだんだんとすり減りっていき、関節炎などを引き起こす原因になるといわれています。

そのため、グルコサミンの効能としては、変形性関節症などの関節炎の症状に効果的だということです。

また、ヨーロッパや日本で行われた数多くの臨床試験により、グルコサミンには、関節炎や変形性関節症の痛みなどを軽減し、関節の可動性を改善するなどの効果が確認されているようです。これらのことから、グルコサミンは、ヨーロッパやアメリカでは、関節炎や変形性関節症の治療薬として使用されています。


サプリメントや健康食品について、上記論文のようなちゃんとした臨床試験をやったものは非常に少ないです。甘い言葉に騙されないようにしましょう。

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