習慣的な辛い食べ物の消費は、総死亡及びがんや虚血性心疾患などの死因別死亡率と逆相関する

辛い香辛料入りの食品の消費量と総死亡および死因別の危険度
以下は、記事の抜粋です。


目的:辛い食べ物の日常消費量と総死亡および死因別の危険との関係を調べる。地域住民を対象とした前向きコホート研究

方法:2004年から2008年の間で中国の10の地理的に様々な地域の参加者が登録されているThe China Kadoorie Biobankを利用。試験開始時にがん,心臓疾患,脳血管疾患の罹患者をのぞき,年齢30~79歳の男性19万9293人と女性28万8082人を対象にした。試験開始時点に一度だけ自己申告された辛い香辛料入りの食べ物の消費頻度を指標に、総死亡および疾患別死因の危険度をアウトカムとした。

結果:3,500,004人/年で2004年から2013年までの追跡期間中(平均7.2年)に,11,820人の男性と8,404人の女性が死亡した。辛い香辛料入りの食べ物の消費量は、既知または可能性が高い危険因子によるリスク補正をしてもなお,男性女性ともに一貫して死亡危険度と高い逆相関を示した。

コホート全体では,辛い香辛料入りの食べ物を週一回未満摂取した人に比べてそれぞれの補整死亡危険度は週1~2回の摂取で0.90(95%信頼区間~0.84~0.96),週3~5回では0.86(0.80~0.92)、週6~7回では0.86(0.82~0.90)だった。

週に一回未満辛い香辛料入りの食べ物を消費人たちと比較して、週に6~7回では、総死亡の相対危険度は14%の減少を示した。

辛い香辛料入りの食べ物の消費量と死亡危険度の逆相関は,アルコールを消費した人に比べ消費しなかった人でより強かった(P=0.033)。この逆相関は、癌、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡でも観察された。

結論:習慣的な辛い食べ物の消費は他の死亡危険因子とは無関係に総死亡及びいくらかの死因別死亡率と逆相関することが明らかになった。


要するに、辛い食べ物を食べた方が長生きする、という結果です。具体的には、「週に1回以上辛い香辛料入りの食べ物を食べた方が総死亡は10%程度減る」ということです。大規模な前向きコホート研究の結果ですので、かなり信頼できると思います。

ただ、メカニズムは不明だし、あくまで中国の食生活における結果ですので、日本に当てはまるかどうかはわかりませんが、個人的には嬉しい結果です。

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