心臓手術成功のミック・ジャガー、病気発見のきっかけは定期健診だった!
以下は、記事の抜粋です。
ミック・ジャガーが心臓弁置換術を受けるため、今月開始予定だったツアーの延期を発表した「ローリング・ストーンズ」。ミックは先週無事に手術を受け、経過は良好だという。
ミックの弟クリス・ジャガーが語ったところによれば、ミックの心臓に問題が見つかったのは定期健診でのことだったという。もし、この問題が見つからず、知らないうちに放置することになっていたら、2002年に亡くなった「ザ・クラッシュ」のジョー・ストラマーのように命を落としていただろうとクリスは語る。
「ジョーには(死が)訪れてしまった。犬の散歩から帰ってきて、ソファーに崩れ落ちているジョーを奥さんが見つけたそうだ。彼も心臓弁に問題を抱えていた」。クリスは「70歳を超えたら、本当に気をつけるべきだよ」と定期検診を勧めている。
なお、ミックは開教手術ではなく、身体に負担の少ないカテーテルを用いた手術を受けたとのこと。関係者は「普通の人なら2週間で回復しますが、ミックの場合は激しいパフォーマンスを行うのでツアーを延期せざるを得ませんでした」と語っている。
上の記事から推測すると、ミック・ジャガー氏の病気は加齢に伴う大動脈弁狭窄症だと思います。これは、弁を長年使い込んできたために大動脈弁が硬くなって一部に石灰組織が沈着し、開きの悪くなる病気です(循環器病センターのサイトをみる)。正常な弁でも心臓が鼓動するたびに開いては閉まる動作を繰り返し、その回数は80年間に約30億回にも達するので、人生のどこかの時点で劣化するそうです。
重症になると狭い大動脈弁口から送り出される血液が十分な量ではなくなり、心筋の酸素不足が生じます。また左心室への無理がたたって心不全になることもあるとされています。
弁膜症のリスク因子には、心筋梗塞と同様、高コレステロールや喫煙、高血圧、糖尿病などが挙げられます。おそらく、定期健診で心雑音が聴取されたことでみつかったと思います。リスク因子がある高齢者は気を付けてください。
近年では、大腿動脈から挿入したカテーテルを用いて心臓弁を置換する経カテーテル大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Replacement;TAVR)と呼ばれる低侵襲の治療法が普及しています。ミック・ジャガー氏が受けた治療もこれだと思います。
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