「女性用バイアグラ」、米FDA諮問委が承認にゴーサイン
以下は、記事の抜粋です。
FDAの諮問委員会は6月4日、「フリバンセリン(Flibanserin)」について、女性の性欲向上に役立ち得るとしてFDAに承認を促した。
委員らは、賛成18、反対6でフリバンセリンの市販承認を促す判断を下した。ただし、医師らが、リスクを承知の上で同薬剤を必要とする女性のみに処方するための追加のリスク管理対策を課した。フリバンセリンは更年期前の女性向けの薬剤で、吐き気やめまい、眠気などの目立った副作用が出ることもある。
Christina Chang医師はFDAを代表して、諮問委に対し「数値でみた治療効果は小さい」と伝え、治験に参加した女性らが得た利益とリスクに関する証拠を基に検討するよう要請していた。しかし実際にフリバンセリンを服用した女性らは、効果は相当のものだったと証言している。
フリバンセリンを市販する試みは2010年と13年にも行われたが、いずれの場合も専門家らがプラシボの場合と比べて決定的な効果はないとして実現しなかった。
フリバンセリンを開発したのはBoehringer Ingelheinだが、最初にFDAの承認を受けられなかった時点で米Sprout Pharmaceuticalsに売却された。FDAのウェブサイト上で公開されている文書によると、フリバンセリンを服用した女性らは満足のいく性的経験が1か月あたり平均で4.4回あったという。これに対し治験参加前は2.7回、またプラシボ服用グループでは3.7回だった。
フリバンセリンは、抗うつ薬として開発されている途中の実験動物やヒトで性的衝動が高まることが見つかり、臨床研究にまで発展した薬物だそうです。
男性では、勃起障害(ED)が最も多い性機能障害であるのに対し、女性では性的衝動の低下が最も多いので、フリバンセリンは女性にとってのシルデナフィル(バイアグラ®)という扱いを受けているのでしょう。でも、男性は末梢、女性は中枢の刺激ということで、メカニズムはまったく異なります。
以前にも書きましたが、フリバンセリンの薬理学的性質としては、5-HT1A セロトニン受容体アゴニスト、5-HT2A セロトニン受容体アンタゴニスト、そしてD4ドーパミン受容体部分アゴニストなどの性質をもつことがわかっています。どの作用が性的衝動に効果があるのかはまだ良くわかっていないようです。
関連記事
フリバンセリン
コメント
SECRET: 0
PASS:
いつも拝見しております。
バイアグラの一般名はシルデナフィルでしょうか?ご確認お願いします。
SECRET: 0
PASS:
>choooopinさん
ご指摘ありがとうございました。修正いたしました。