想定より多かったCTスキャン検査の被爆量、初の国産?インフル治療薬 もうすぐ承認

CTスキャンの被爆量、想定より多かった 数十年後にがん発症リスク

以下は、記事の要約です。


米サンフランシスコ周辺の4病院で行われた研究により、現在のCTスキャン検査で照射される放射線量は、想定されていた値の約4倍であることがわかった。

これらの結果に基き、同研究は、40歳の女性が冠状動脈のCTスキャン検査を受けたとすると、このCTスキャンが原因でがんを発症する確率は、270人に1人の割合だとしている。

もう1つの研究は、保険会社のデータをもとに計算したもので、2007年に米国で行われたCTスキャン検査の回数は、7200万回だと推定している。このCT検査が原因で、今後20-30年以内に2万9000人ががんを発症し、1万5000人がそのがんによって死亡すると推定した。


論文は、”Radiation Dose Associated With Common Computed Tomography Examinations and the Associated Lifetime Attributable Risk of Cancer”(論文をみる)と”Projected Cancer Risks From Computed Tomographic Scans Performed in the United States in 2007″(論文をみる)です。

研究者らは、「医療用CTスキャンの放射線量はこれまで認識されていたよりはるかに多く、防ぐことができるがんを年間数万例も生んでいる。照射量に関する規定を見直すべきだ」としています。「被爆量は、頭部撮影では2mSv、腹部・骨盤撮影では31mSvの中央値だったが、各検査における被爆量のバラつきが多く、腹部・骨盤撮影では、90mSvを越える例があった」という点も問題だとしています。

CTスキャンは、その診断における有用性が高く、痛みもなく、「非侵襲的」な検査だと考えられてきましたが、通常のX線写真撮影と比べて約100倍被爆量が多いことは事実です。
この記事にあるように、若年者の場合、理論的にはCTスキャンによる発がんの可能性があるので、リスクとメリットをよく考えて実施することが重要だと思います。


初の国産インフル治療薬来年1月にも承認へ 厚労省

インフルエンザ新薬についてでも書きましたが、塩野義製薬が承認申請しているインフルエンザ治療薬、「ラピアクタ(一般名ペラミビル)」は、国産ではありません。BioCrystというアメリカのバイオベンチャーが創薬しました。塩野義は、日本と台湾における臨床開発(研究ではなく治験)と販売の契約を結んだだけです。どうみてもアメリカ産です。

メーカーが戦略的に「国産」を強調して、愛国的な医師や薬剤師のハートをつかもうとするのは理解できますが、マスメディアがこのような誤った報道をするのはなぜでしょう?
ペラミビルは、静注・点滴で1回投与するだけで有効とされており、売れると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました