以下は、記事の抜粋です。
行政刷新会議の事業仕分けで、科学研究の予算が「縮減」などとされたことに対し、日本学術会議は11月20日、金澤一郎会長が「(基礎研究への投資減少は)人材の離散だけでなく国際競争力の低下を招く。鳩山内閣は総理を筆頭に理系出身の多くの閣僚を含み、科学・技術に深い造詣と理解を有するものと信じる」とする談話を発表した。
日本地球惑星科学連合も同日、次世代スパコンなどの大型科学技術プロジェクトについて「事業見直しがそのまま実行されれば、数百人の博士が失職する」とする意見書を発表。次世代スパコン事業を進める理化学研究所の研究者約30人でつくる「理研科学者会議」も、「過度な効率主義・成果主義に傾いた評価が、我が国の将来に大きな禍根を残す結果につながりかねない」と訴える提言を野依良治理事長に出した。
日本植物学会や日本生化学会など8学会も19日、「日本の科学技術の発展を大きく損なうことを憂慮する」として、科学技術への支援強化を求める要望書を文科省に提出した。
私の所属する学会でも要望書を提出するとともに、行政刷新会議事業仕分け対象事業について、文部科学省のサイトへ意見を寄せるように各会員に要請が来ています。
私は、事業仕分けが行われ、予算に関する議論がオープンになること自体は、新鮮で良いことのように思います。あの「(2700億)最先端研究開発支援プログラム」見直しの話が出た時は、研究費に直接関与する人々以外は、見直しに賛成だったような気がします。
宮川剛さんのブログで、「ムダを減らすことはできないだろうか」を読みました。彼も事業仕分けで、予算についての議論がオープンになる事を歓迎しています。
宮川さんは、「『ムダはないですか』という問いが主旨なのですから、『申しわけありません、確かにムダはありますので、改善する努力をいたします。しかし、重要なxxxやyyyの予算は減らさないでいただきたい』という姿勢で答えていくのが本道なのではないでしょうか。」と書いています。私も同感です。
さらに、「ずばり、日本の研究業界のシステムにはたくさんのムダがあり、膨大な額の貴重な税金をムダに浪費している側面があると断言します。以下に私が思いついたものをリストアップしてみました。」として以下のムダをあげています(抜粋です。詳しくは、宮川さんのブログをご覧ください)。
●単年度予算の制度が巨額のムダを生んでいる。
●先端的機器やを輸入する場合、間に入った輸入業者が高額のマージンを取る日本特有の商習慣はムダ。
●お古になった高額機器を全国レベルでオークションにかけるシステムを導入すべき。
●高額機器・高額設備は、できるだけ共同で使用するようにすべき。
●機関間の共同利用・共同研究を容易にするシステム・制度を拡充すべき。
●各種研究費の申請書・報告書に記載する情報には重複が多く、それぞれの書類のフォーマットが大幅に異なっているムダ。
●研究費の報告書は、大幅削減か廃止すべき。
●研究費の種目の一つ一つが小さく、たくさん申請書・報告書を書かなければならないムダ。
●「出来レース」の研究費公募があるのはムダ。
●紙媒体の雑誌はムダ。電子ジャーナルも、大学・機関ごとではなく国として出版社と交渉すべき。
最後に、「皆様、限られた研究資源で最大のアウトプットがでるような最適な仕組みをこの機会に考えてみるというのはいかがでしょうか?他にも各種の事務処理手続きや、教育・研究の仕組みで改良できること、潜在的なムダ、潜在的な『埋蔵金』や『埋蔵労働力』はないでしょうか?研究費の総額が今後、減ったとしても増えたとしても、それが限られていることにはかわりないわけです。
不思議なことに事業仕分けはこういったことを私たちが考える絶好の機会を提供してくれたように感じます。」と結んでいます。
各学会は要望書を出しただけで、あとは何もしないつもりでしょうか?
日本の捕鯨船を妨害するために作られた防弾高速艇「Ady Gil」
Ady Gilは、時速90km/h以上で走行し、潜水も可能らしい。日本の捕鯨船はどうなるのでしょうか?なんとなく、お金の使い方を間違っているいるような気がします。
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