以下は、それぞれの記事の抜粋です。
ウマのゲノム解読、医学に応用も JRAなど国際チーム
JRA競走馬総合研究所を含む国際研究チームが、馬のゲノム(全遺伝情報)を高精度で解読し、11月6日付米科学誌Scienceに発表した。優秀な競走馬の秘密の解明だけでなく、馬は寿命が約20年と家畜としては長寿で、90を超える遺伝性の病気なども調べられていることから、ヒトゲノムとの比較による医学への応用も期待される。
共同研究は、米国の雌のサラブレッドtwilight号を対象に、世界約30の研究機関で2006年から始められた。その結果、馬ゲノムは約27億個の塩基対からなり、犬(25億個)より大きく、ヒトや牛(29億個)よりは小さいことが分かった。たんぱく質を作る遺伝子は2万322個が同定され、このうち約3/4に当たる1万5027個についてヒトの遺伝子と1対1で対応させることができた。
ブタのゲノム、解読に成功 日米英などの国際チーム
米イリノイ大や英サンガー研究所、農業生物資源研究所などの国際チームは、ブタのゲノムの解読に成功したと発表した。ブタは、ヒトの病気のモデル動物としても使われており、新たな医療研究や、家畜の増産法の研究が加速しそうだ。
解読に成功したのは、イリノイ大の農場にいたデュロック種のブタ。5種類ある主な食肉用ブタの一つで、全遺伝情報の98%の解読に成功した。研究グループは「ブタの品種改良に加え、ヒトの心臓や消化器の病気、免疫の研究にも役立つ」としている。
トマトゲノムの概要公開=遺伝子の8割明らかに-かずさ研
かずさDNA研究所は4日、トマトのゲノムの6割を解読し、データをインターネットで公開したと発表した。遺伝子数では8割が明らかになった。病害虫や乾燥に強く、生産性が高い品種や、健康に良いリコピン、カロテンなどの成分をより多く含む品種の開発に役立つと期待される。
トマトゲノムの解読はこれまで、かずさDNA研究所など10カ国の研究機関が分担して取り組んできた。しかし、予算などの問題で全体として遅れているため、同研究所が先行して概要データを公開することにした。
こういう仕事に参加した事はないですが、どんな種類の生物のゲノムを解読するかを決める人と論文を書く人以外は、ひたすら配列を決める作業に従事するのでしょうか?
その昔、有名なタンパク質のmRNAからできたcDNAの配列を決めて一次構造(アミノ酸配列)を推測するだけで、NatureやScienceに論文が載る時代がありました。
そろそろ、生物のゲノムを解読しても、論文発表できない時がきているような気がします。特に、8割の遺伝子が公開されてしまったトマトゲノムの解読は、論文発表が難しいように思います。予想通りの結果ばかりの実験は、おもしろくありません。予想に反する結果にもとづいて新しい仮説を立てたり、結果の予想がつかないような実験を進めるのが好きです。私がやらなくても、そのうち誰かがするような仕事はしたくないです。
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