「血糖値が高い人ほど認知機能が低下しやすい」との研究結果
以下は、記事の抜粋です。
認知症と糖尿病との関連については、長年、様々な研究がすすめられてきた。2011年には、九州大学の研究チームが「糖尿病の人は、血糖値が正常な人に比べて1.74倍も認知症にかかりやすい」との研究結果を明らかにしている。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究プロジェクトは、2018年1月、Diabetologia誌に研究結果を発表した。英国人の高齢者5,189人を対象として、2004年から2014年までの合計5回の調査データを分析した。対象者の平均年齢は65.6歳で、全体の55.1%が女性であった。
その結果、糖尿病と診断されているかどうかにかかわらず、過去1ヶ月から2ヶ月の平均血糖値を表わすHbA1cのレベルが高い人ほど、認知機能が低下しやすく、認知機能の低下とHbA1cの数値の間に直接的な関連が認められたという。
これらの研究結果は、HbA1cの数値と認知機能の低下との相関関係を示しただけではなく、糖尿病の発症を遅らせたり、血糖コントロールすることによって、認知機能の低下の進行を緩和させる可能性を示唆する。今後、糖尿病患者の血糖コントロールが認知機能の低下にもたらす長期的な効果について、さらに研究をすすめていくという。
元論文のタイトルは、”HbA1c, diabetes and cognitive decline: the English Longitudinal Study of Ageing”です(論文をみる)。
記事に書かれているように、九州大学が行っている「久山町研究」では、高齢糖尿病患者では認知症の合併が多いことが明らかになっていますので、この研究は大発見ではありませんが、認知機能の低下と過去1ヶ月から2ヶ月の平均血糖値を表わすHbA1cの間に有意な相関があったことを大きな母集団における長年の追跡研究で明らかにしたことに価値があると思います。
いずれにしても、「食べ過ぎは認知症の原因の1つ」であることは間違いなさそうです。
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