mRNAベースのRSウイルスワクチン

mRNAベースのRSVワクチン、高齢者への有用性を確認
以下は、記事の抜粋です。


mRNAベースのRSウイルス(RSV)ワクチン「mRNA-1345」について、60歳以上の高齢者への単回接種はプラセボとの比較において、明白な安全性の懸念が生じることなく、RSV関連下気道疾患およびRSV関連急性呼吸器疾患の発生率を低下したことが示された。

ModernaのEleanor Wilson氏らが、第II-III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験(22ヵ国で実施、現在進行中)の結果を報告した。高齢者におけるRSV感染が重大な疾患と死亡を増加させていることが報告されている。mRNA-1345は、安定化させたRSV融合前F糖蛋白をコードするmRNAベースのRSVワクチンで、臨床研究中の新たなワクチンである。

研究グループは、60歳以上の高齢者を、mRNA-1345またはプラセボを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付け、追跡評価した。

主要エンドポイントは2つで、少なくとも2つの徴候・症状を伴うRSV関連下気道疾患の予防と、少なくとも3つの徴候・症状を伴うRSV関連下気道疾患の予防とした。重要な副次有効性エンドポイントは、RSV関連急性呼吸器疾患の予防とした。安全性も評価した。

2021年11月17日~2022年10月31日に、計3万5,541例が無作為化された(mRNA-1345ワクチン群1万7,793例、プラセボ群1万7,748例)。

ワクチンの有効性は、少なくとも2つの徴候・症状を伴うRSV関連下気道疾患に対しては83.7%であり、少なくとも3つの徴候・症状を伴うRSV関連下気道疾患に対しては82.4%であった。また、RSV関連急性呼吸器疾患に対するワクチンの有効性は68.4%だった。

mRNA-1345群ではプラセボ群よりも、局所副反応(58.7% vs.16.2%)、全身性副反応(47.7% vs.32.9%)の発現率が高かったが、ほとんどの副反応は軽度~中程度で、一過性のものだった。重篤な副反応の発現率は、各群とも2.8%であった。


RSウイルスワクチンではファイザーやGSKが先行していますが、どちらも抗原はたんぱく質です。新型コロナウイルスワクチンだけの経験を基にすれば、mRNAベースの方が副反応は強いかもしれませんが、効果は強いのかなぁ、とかウイルスの変異にも素早く対応できてより優れているのかなぁ、などと考えています。

ただ、ファイザーもmRNAベースワクチンを作る技術はあるように思うので、「うーん」という感じです。将来の展開が楽しみです。

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