子宮頸がんはワクチン接種により(日本を除く)世界から撲滅の可能性も。

子宮頸がんワクチン、14カ国の調査で効果明らかに 撲滅の可能性も
以下は、英国BBCニュースの記事の抜粋です。


多くの子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンが、各国で効果を上げているとする調査結果が明らかになった。子宮頸がんを撲滅できる希望もみえてきたという。

HPVワクチンの接種は10年ほど前から始まった。国際研究チームがこのほど、計6000万人を対象とした65件の研究を評価したところ、HPVの感染件数と前がん病変の発生件数が共に下がっていた。これにより、向こう数十年で子宮頸がんの発症件数が大きく下がり、撲滅できる可能性もあるという。


ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus, HPV)とは?
●HPVはあるウイルス群の総称で、100種類以上のHPVがある
●女性の多くが人生のどこかでHPVにかかるが、悪い症状には見舞われない
●子宮頸がんの大半は、危険な型のHPVに感染したことが原因
●HPVはこのほか、男女共に発症する恐れのある尖圭コンジローマや、頭部や頸部のがんの原因となる
●ワクチンは子宮頸がんの70%以上の原因となる16型と18型、尖圭コンジローマの約90%の原因となる6型と11型、計4つのHPVから身を守ることができる
●イギリスでの女子の接種時期は12歳と13歳の2回。義務教育中に受けられなくても、25歳まで国民保健サービス(NHS)で無料で接種できる。今年9月からは、12~13歳の男子も接種できるようになる
●自費でのワクチン接種費用は1回当たり約150ポンド(約2万円)
●ワクチンでは、子宮頸がんの原因となる全てのHPVを防げないため、女性は定期的な検診が必要となる


研究チームはHPVの感染率及び尖圭コンジローマおよび前がん病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)の発症件数を調査。ワクチン接種が始まる前と8年後を比べた、以下のような結果を得た。

●16型と18型のHPV感染件数は、15~19歳の女性で83%、20~24歳の女性で66%減少
●尖圭コンジローマの発症件数は、15~19歳の女性で67%、20~24歳の女性で54%減少
●CINの発症件数は、15~19歳の女性で51%、20~24歳の女性で31%減少

また、ワクチンを受けていない人への恩恵も明らかになった。15~19歳の男子の尖圭コンジローマ発症件数は50%近く減ったほか、30歳以上の女性の発症件数も大きく下がった。より幅広い年齢層がHPVワクチンを接種し、接種率が高い国ほど、減少率は高かった。


英国公共衛生局のデイヴィッド・メッシャー博士は、「HPVと子宮頸部の病変、両方が減少しているので、子宮頸がんそのものも減っていくと考えられる」と説明した。

この調査を主導したマルク・ブリッソン教授は、「向こう10年で、20~30代の女性の子宮頸がん罹患率が下がっていくだろう」と指摘する。

がんは、10万人に対し4人未満の発症で撲滅したと定義される。ブリッソン教授は子宮頸がんについて「十分に高いワクチン接種率が実現・維持できれば(撲滅の)可能性はあるかもしれない」と語った。


記事によると、子宮頸がん基金の会長は「この調査によって市民のHPVワクチンへの信頼が高まり、より多くの命が救われ、子宮頸がんが過去のものとなる世界が近付くことを心から願っている」と言っているそうです。

「子宮がんが残っている珍しい国」が近付いている日本をどうしたら良いのでしょう?

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