9人に1人発症…「産後うつ」のための薬がアメリカで承認

9人に1人発症…世界初「産後うつ」のための薬を米FDA承認
以下は、記事の抜粋です。


米FDA(食品医薬品局)が3月19日、世界初となる産後うつのための薬を承認した。 赤ちゃんを出産した女性に起こる「産後うつ」は世界的に問題となっている。国立成育医療研究センターなどの調査によると、日本では、2015年から16年までの2年間に、妊娠中もしくは産後1年未満の女性が自殺した数は102人に上ったという。

今回承認されたブレキサノロン(Brexanolone)は、一度服用すると、60時間にわたって持続的に作用し、2日以内に効果が見られるという。

ザルレソはすぐに一般医院で処方されたり、薬局で販売されるわけではない。過剰な鎮静、または投与中の意識喪失などの重大なリスクへの懸念から、当面は認定医療施設で、医師の監視下でのみ処方されるという。その費用は2万ドル(約223万円)を超えるとか。 USA TODAYによると、疾病管理予防センターは米国で9人に1人の産婦が産後うつを発症していると推測している。


内因性のプロゲステロン代謝物であるアロプレグナノロンは、GABAA受容体のアロステリックな陽性調節作用があり、出産後は減少することから、産後うつの発症メカニズムに関わると考えられています。ブレキサノロンは、静注可能なアロプレグナノロンの可溶性アナログです。

中等症ないし重症産後うつ病患者246例を対象とした第III相無作為化プラセボ対照試験で速やかな抗うつ効果が現れ、しかも効果が持続することを示唆する結果が報告されています(論文をみる)。

非常に高い頻度でおこる病気なので、米国での成果とそれを受けた日本での承認を期待したいと思います。

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