代替医療、従来型がん治療の拒絶、治療可能ながん患者の生存……2018年、最も影響力があった科学論文トップ10
英国のオルトメトリック社は、2018年で影響力があった論文ベスト100を発表しています。単なる引用回数などだけでなく、論文の社会的影響度を測る閲覧数やマスコミやSNSによる言及といったことも考慮しているそうです。以下は、その1つで、従来の治療で治療可能ながん患者が気功などの「代替医療」に走った場合についての論文を紹介する記事です。
『JAMA Oncology』の190万人の患者を対象としたコホート研究では、鍼や漢方といった代替医療を利用するがん患者は、一般的な治療を拒否する可能性が高いことを明らかにした。
だが残念ながら、そうした患者の死亡リスクは、代替医療に頼らなかった患者に比べて、2倍に高まることも示されている。
元論文のタイトルは、”Complementary Medicine, Refusal of Conventional Cancer Therapy, and Survival Among Patients With Curable Cancers”です。代替治療にたよるがん患者は、化学療法や手術、あるいは放射線治療などのがんの標準的治療を拒否する傾向が強く、そのために死亡リスクが高まるとしています。もう一昨年になりましたが、34歳で亡くなった歌舞伎役者のご夫人を思い出しました。こういう論文がベスト10に入るということは、世界中に代替治療が普及しているということですね。
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