PD-1阻害薬ペムブロリズマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブと「キャシーのbig C」

PD-1阻害薬ペムブロリズマブが、CTLA-4阻害薬イピリムマブより有効、免疫チェックポイント阻害薬にも差
以下は、記事の抜粋です。


進行性の悪性黒色腫に対する治療薬として、PD-1阻害薬ペムブロリズマブがCTLA-4阻害薬イピリムマブよりも優れていると分かった。

がんは免疫の力をそぐ仕組みを持ち、免疫から自らを守っている。もともとは免疫の暴走を防ぐための仕組みだ。がん細胞の「PD-L1」と人間の「PD-1」というそれぞれのタンパク質が対応して、免疫の攻撃力をそいでいる。この対応関係を「免疫チェックポイント」と呼ぶ。

「免疫チェックポイント阻害薬」には、CTLA-4阻害薬やPD-1阻害薬といった薬がある。CTLA-4阻害薬であるイプリムマブは、悪性黒色腫に対して使える薬として日本でも製造販売の承認申請が行われたところ。米国では、がんの転移のある悪性黒色腫に対しては既に標準的な第一の薬として使われている。さらに、PD-1阻害薬であるペムブロリズマブが、イピリムマブまたはBRAF阻害薬に対して効果がない人に使えるようになっている。

カリフォルニア大学を中心とした研究グループは、転移のある悪性黒色腫の834人を、2週間に1回のペムブロリズマブを使うグループ群(体重1kg当たり10mg)、3週間に1回のペムブロリズマブ群(体重1kg当たり10mg)、3週間に1回のイピリムマブ群(体重1kg当たり3mg)のいずれかに分けて、12週間後とその後は6週間ごとに治療効果を評価した。

その結果、FDA承認の「免疫チェックポイント阻害薬」を比較する最初の無作為化試験となったが、ペムブロリズマブは試験対象としたすべての指標でイピリムマブよりも有意に良好であると分かった。悪性黒色腫の治療は変わるかもしれない。


悪性黒色腫の治療は、2011年にBRAF阻害薬ベムラフェニブ(Vemurafenib、ゼルボラフ®)が登場して以来、上記のように一変しました。

毎週水曜日の夜11時15分からBSプレミアムで放送される「キャシーのbig C いま私にできること」(原題:The big C)というテレビ映画があります。以下は、ホームページでの紹介です。


ミネソタ州・ミネアポリスに住む42歳の高校教師・キャシーは、ある日、医師から自分が末期のがんを患い、 余命わずかであることを宣告される。それまでの毎日を、お調子者で無責任な夫と反抗期の息子の世話に明け暮れ、周囲から「退屈な女」と思われてきたキャシー。残された時間を考えたとき、キャシーはそれまで封印していた「ありのままの自分」で生きることを決意する!

“Big C”とは、「がん」(英語でcancer)を意味するスラング(俗語)。スパイスの効いたユーモアを交えながら、妻として、母として、ひとりの女性として人生を見つめ直すキャシーの姿を描いたこの作品は、ゴールデングローブ賞やエミー賞でともに主演女優賞を受賞。切なくて、おかしくて、最後には涙がとまらなくなる、異色のハートフル・コメディー。


この「がん」は悪性黒色腫で、制作は2010年です。たった5年でこれほど状況が変わるとは、本当に驚きです。

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