C型肝炎治療:「ソバルディ」保険適用1錠6万1799円
以下は、記事の抜粋です。
肝臓がんにつながるC型肝炎治療で効果が期待される新しい飲み薬に、5月20日から医療保険が適用される。従来の注射による治療に比べ副作用が少なく、患者の負担軽減につながるとみられる。価格は1錠6万1799円。
新薬は米製薬会社のギリアド・サイエンシズ社の「ソバルディ」(一般名ソホスブビル)。他の飲み薬とともに、1日1錠を12週間飲み続ける。治験では96%でウイルスが除去された。
対象は遺伝子タイプが「2型」とされる人で、厚生労働省によると約133万人のC型肝炎ウイルス感染者のうち約33万人。これまでの主な治療法は、注射によるインターフェロン投与などだが、発熱やうつのような症状がでる副作用があった。また、新薬はインターフェロンが効かなかった人にも効果があるという。
新薬を用いた治療の薬代は計約546万円で、従来の220万円の約2.5倍となる。肝炎治療には国の助成制度があり、患者の自己負担は最大月2万円に抑えられる。
「ソバルディ®」(ソホスブビル)などの直接作用型抗ウイルス薬がよく効くことは、このブログでも何度も紹介してきました。一方、これらの薬剤のコストが非常に高いことも何度も紹介してきました。今回、保険適応になったことの意義を考えてみました。
546万円の薬を33万人に投与するとすれば、薬代だけで約1兆8000億円かかることになります。初めからこんなにかかることはないとしても、保険制度が不備なアメリカでも、今年の売り上げが50~90億ドルということですので、日本でも何千億円に達する可能性があります。
患者の自己負担が最大月2万円ということは、治療費の大半が保険と公的資金ということになります。国民皆保険制度も国家財政もどちらも苦しい状況の中、いつまでこのような患者サポートが続けれられるのか不安です。
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