「サーファー&クラゲ&納豆」の関係、冷やし中華も…
以下は、記事の抜粋です。
「納豆アレルギー、患者の8割がサーファーやダイバー」という記事に大きな反響がありました。
要は、サーファーのように年中、海に浸っている人が、何度もクラゲに刺されているうちに、その触手に含まれるポリガンマグルタミン酸にアレルギーを持ってしまう。そのポリガンマグルタミン酸というのは納豆のネバネバ成分でもあるので、納豆を食べることで急性の激しいアレルギー症状、アナフィラキシーを起こしてしまう例があるという話です。
横浜市立大病院の研究では、18人の症例の大半が湘南サーファーだったのですが、茨城や静岡、関西など他地域のサーファーについても、同様な例が報告されてきているとのことです。
納豆アレルギーは、食品アレルギーの中では珍しい「遅発性」アレルギーで、食べてから半日ぐらいたたないと発症しません。これは、ポリガンマグルタミン酸の分子が非常に大きく、消化に時間がかかるためのようです。
さらに、原因が分かっても、納豆を食べなければ安心とはいきません。自宅で冷やし中華を食べてアナフィラキシーを起こした例もあるという話です。実は、冷やし中華に付いていた麺つゆにポリガンマグルタミン酸が入っていたのです。
ポリガンマグルタミン酸は、保水性、増粘性、生分解性などの特性があり、スキンケア化粧品や食品、医薬品、紙おむつなど様々な製品に利用されています。多様な分野で人の役に立っている物質なのですが、たまたまアレルギーになってしまった人は、油断していると想像もしない経路から摂取してしまう恐れがあります。成分表示を確認するなど注意が必要です。
「おもしろい」と言ったら、患者さんに怒られそうですが、興味深い話だと思います。ウエットスーツを着ればクラゲに刺される可能性は下がるでしょう。カッコよさをとるか、アレルギー予防をとるか、悩ましい問題だと思います。
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