なぜ運動した後に筋肉痛が出てしまうのか?
以下は、乳酸説を否定する部分の抜粋です。
しばしば「乳酸が筋肉痛の原因である」と言われることもありますが、乳酸は筋肉痛の原因物質ではないということも明らかになっています。
1983年の研究では、運動後にも乳酸のレベルが上昇していないにもかかわらず2日後に筋肉痛が出たことが確認されているなど、多くの研究者らはすでに「乳酸によって筋肉痛や筋肉疲労が引き起こされるという事実はない」と考えています。
この記事に書かれている「運動を行う際には筋肉が収縮して力を生み出しますが、筋肉の収縮によってほんの小さな裂け目が筋肉や隣接する組織の中に発生します。この小さな裂け目がそのまま筋肉痛になるというわけではなく、体がこの裂け目を修復しようと働きかけるプロセスの中で筋肉痛は発生します。」という説明は、私には良くわかりませんが、「乳酸が溜まると筋肉が痛い」という俗説が間違っているらしいということは良くわかりました。
長寿科学振興財団の健康長寿ネットというサイトには以下のように書かれています。
筋肉痛になる原因
もともと、激しい運動をすると疲労物質である乳酸が溜まって筋肉痛が起こるとされていましたが、最近では、乳酸は疲労物質そのものではないこと、乳酸は運動を行っていない安静時にもつくられており、乳酸そのものが筋肉痛の原因になるわけではないことがいわれています。
筋肉痛が生じやすいのは、筋肉が引き伸ばされながら大きな力を出す(伸張性収縮)を繰り返した時です。例えば、スクワット運動時に膝を伸ばしていく際のハムストリングス(太ももの裏の筋肉)や、下り坂を降りる際の大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)、ダンベル運動時に肘をゆっくりと伸ばす際の上腕二頭筋などです。
このように、筋肉が収縮する方向とは反対の方向に引き伸ばされながらも、ブレーキをかけるために大きな張力が生じる伸張性収縮では、筋繊維や周囲の結合組織が断裂して微細な傷がつきやすくなり、筋の破壊が進んで炎症が起こります。痛みや腫れを引き起こす炎症メディエーターやサイトカインが産生されることにより、筋肉痛を引き起こすと考えられています。
筋肉痛をおこす原因についての記載は上で紹介した記事と違いますが、乳酸説が否定されていることは同じですので、乳酸が筋肉痛の原因物質ではないことは間違いないと思われます。
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