やめていい薬とやめてはいけない薬の違い
以下は、記事の抜粋です。
薬は病気だから飲むもの。では「薬を飲んでいる限り病気」なのでしょうか。それは違います。逆は必ずしも真ならず。再発防止のためにも薬を飲み続けることが大切です。
さて、さまざまな薬は、服用期間によって、やめられる薬、当分やめないほうがいい薬、半永久的に必要な薬の3種類に大別されます。
まず「やめられる薬」の代表例は抗生物質です。抗生物質は、原因(細菌など)が消失すればやめられます(医師は投薬を中止します)。
2番目の「当分やめないほうがいい薬」では、精神科や生活習慣病の薬があげられます。慢性化しやすく数年~数十年かけて付き合っていく病には、悪化や再発予防のための最小限の薬を服用し続けるほうがいいと考えられています。
健康診断で「コレステロールが高いですね」と注意を受けた経験のある人がいるかもしれません。LDL(悪玉)コレステロールは、動脈硬化の危険因子のひとつとされており、年をとるにつれて分解力などが低下し増加していきます。生活習慣の見直しなどで改善がみられない場合、現在はLDLコレステロールの体内合成を阻害する薬を用います。ただし、至適な血中濃度を維持するためには、ほぼ一生、この薬を服用することが必要になります。服用をやめると、ほとんどの人が再び異常値まで血中濃度が上がってしまうからです。
このように慢性疾患モデルの病気は、薬によって悪化・再発を防ぐことは重要な対策のひとつであり、食事療法などの生活習慣の改善により減薬はできても、薬が不要になると考えるのは危険が大きいと思います。
3番目の「半永久的に必要な薬」は、何らかの原因で自己免疫性疾患やホルモン失調症(甲状腺機能失調症など)、パーキンソン病などの神経伝達物質が不足する疾患にかかった患者さんは、自然治癒でもしない限り、半永久的に少量のステロイド剤やホルモン剤などの補充が必要です。この補充療法によりほとんど健康な人と同じように活動ができます。
高血圧や高コレステロールや高血糖が健康診断などでみつかり、医院や病院の受診を勧められて一度薬を服用し正常値になった後、「治ったと思って」通院を続けずそのままというケースや、「薬をずっと飲むのは体に悪い」と思って薬をやめるケースはけっこう多いようです。
しかし、これらは”Silent Killer“です。自覚症状はほとんどないかもしれませんが、確実に体を蝕んでいきます。患者は、至適な血圧やコレステロール値や血糖値を維持するために、生活習慣の改善と共に薬を飲み続ける必要があることを理解する必要があります。
そのためには、この記事に書かれている、薬を服用期間によって、やめられる薬、当分やめないほうがいい薬、半永久的に必要な薬の3種類に大別するのではなく、もっと簡単に「やめられる薬と半永久的に必要な薬」の2つに分け、生活習慣を変えて治癒しない限り、高血圧などの薬は半永久的に必要である、と説明するのが良いと思います。
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