競争的研究費が画期的研究成果を減らしたのか?

競争的研究費は画期的研究成果を増やしたのか?
以下は、記事の抜粋です。


研究費は、予算申請書を書いてぶんどってくる競争的資金に置き換わってずいぶん長くなる。しかし実態は「書類ばかり書いて研究する暇がない」というパロディー状態になっている。

競争的研究費改革に関する検討会データ集」を見た。結論から言えば「研究費を競争的にしたら研究成果が減った」。

画期的な研究成果をあげるためには、私は交付金を増やした方がよいように思う。年100万の研究費があったら、思いきった研究が可能になる。

私は、競争的資金の割合を減らし、交付金(何の研究テーマにも縛られていない研究費)を増やした方が画期的な研究は増えると思う。当たるかどうか分からないが研究費を出す、その度量がないと、画期的研究は生まれない。失敗を許さない研究なんて、矛盾した表現なのだから。研究は失敗してナンボ。


おもしろい主張だとは思いますが、この方のアイディアは絶対に採用されないと思います。

研究者が国などから支給される研究資金が競争的であるのは日本だけではなく世界中で共通したルールです。

現在の日本の競争的資金の中心はいわゆる「科研費」でその内容は文科省の外郭団体である「日本学術振興会」のホームページで公開されています(ホームページをみる)。

問題は、研究費が競争的であることではなく、その配分方法です。28年度では、一番少ない(平均133万円)「基盤研究C」の採択率は29.9%で、平均1351万円の「基盤研究A」の採択率は24.4%とそれほど変わりません。平均9887万円の「特別推進研究」の採択率でも13.1%です。

採択数は「基盤研究C」が11,392件、「特別推進研究」は14件で、それぞれの支給額総計は151億6617万円と13億8420万円です。科研費の総額は683億9828万円です。

上の記事の著者は「年100万の研究費があったら、思いきった研究が可能になる。」と書かれていますが、既に平均133万円の研究費が1万人以上の研究者に支給されています。上にも書きましたが、この「最低レベルの」科研費の採択率が29.9%と低いのが問題だと思います。

科研費全体の総額は増やさなくても、不安定な非常勤ポスドクや老害研究者の蔓延の原因になる「特別推進」などの大型予算や研究費の重複支給の原因になる「新学術領域」などの特定の研究領域を優遇する予算は廃止し、基盤研究Cのような年100万レベルの研究費の採択率を倍以上にするだけでかなり状況は変わると思います。

コメント

  1. あ* より:

    「科研費全体の総額は増やさなくても、不安定な非常勤ポスドクや老害研究者の蔓延の原因になる「特別推進」などの大型予算や研究費の重複支給の原因になる「新学術領域」などの特定の研究領域を優遇する予算は廃止し、基盤研究Cのような年100万レベルの研究費の採択率を倍以上にするだけでかなり状況は変わる」という点に同感です。

    やってください。
    って、先生には、決定権も政治力もなさそうですね。失礼な発言で、どもう、すみません。

    私は、個人的には、ドイツみたいに
    Max-Planck 研究所群と Fraunhofer 研究所群を分けて整備して、人類の福祉にはMax-Planck 研究所、ドイツ現地(=地方ニッチ)の庶民が暮らしやすくするにはFraunhofer 研究所ということで、国家権力が介入しない科学技術振興を進めるしか軍産複合体から逃れる道はないと考えています。考えるのはタダ、言うだけならタダですよ(爆笑)。実現する政治力は全然ないので…。

    日本の大学や研究機関については、
    人類の福祉に寄与するタイプのグローバルな研究と、
    鳥取砂丘の研究みたいな地方ニッチの庶民が暮らしやすくする研究とを別々にすることが大事です。今みたいに、外国の何たらが引用したとか Nature に載ったとか論文本数が多いとか…いうアホ〜な基準で研究の内容をランキングしていたら、科学も技術も進まないでしょう。

    そういえば、グリコの論文は、よく書けていると思ったので、スーパーマーケットで見かけたとき、あ、これか…と思い、
    (1)最初は買いませんでした。何故なら、果糖液糖が使われていたからです。
    (2)2度目は買ってみました。果糖液糖だけで避けるのは、ひょっとするとマイナスかもしれないと思ったからです。
    (3)買ってみて、そのまま飲んでみたら、酸味が強くてマズイので、ああ、なるほど、それで果糖液糖などを加えて誤魔化して売る気だなと思いました。
    (4)よつ葉乳業の牛乳にグリコさんのほにゃららを入れて、「わじまの海塩」を耳かき一杯くらい入れて発酵させ、水切りをしてみる予定です。加糖しなくてもマイルドになる可能性あり。
    (5)食品なので、明治乳業のLG21は売れるけどR1は売れないみたいなことになる可能性あり。
    (6)しかし、食品なので、酸味がお酢の代わりに使えるとか主婦が言い出して、サラダドレッシングに利用するのが流行れば、ブレークする可能性もなきにしもあらず。

    どうも、お邪魔しました。

    • franoma=あ* より:

      ゴキ…ゴキブリ状態( http://bit.ly/Gocky55 )ではなく、誤記がありました。
      (誤)「どもう」←「どもる」でも「獰猛」でもありません。
      (正)「どうも」くんです。
      「ドーモくん」はPTSD予防に有効です。

      どうも、すみません。
      http://franoma.blog.fc2.com/
      でもブログしてます。

    • franoma=あ* より:

      追伸です。
      BifiX1000は不味いので二度と買わなくていいと愚息に
      sentenced…
      宣告されました。

      どうも、すみません。

      このままでは、明治のR-1みたいになるかも?
      食品ですからね。

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