衝撃な結果 非小細胞肺がん初回治療においてオプジーボが無増悪生存期間延長示せず
以下は、記事の抜粋です。
8月5日、米Bristol-Myers Squibb社は、進行非小細胞肺がん患者の初回治療に対するニボルマブ(オプジーボ)単剤療法を使用する第3相試験(CheckMate-026)の速報を発表。なんと、オプジーボ単剤療法は対照であるプラチナ系製剤をベースにした標準療法に対して主要評価項目である無増悪生存期間での有効性を示せなかった。なお、PD-L1発現(腫瘍の5%以上に発現)に対しての結果である。
現在、進行非小細胞肺がん患者の初回治療に対しては、PD-L1問わず対象としたオプジーボ+ヤーボイ、オプジーボ+標準療法を使用する臨床試験(CheckMate-227)が実施中である。
なお、殆ど同じタイプの免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペムブロリズマブ(キートルーダ)は、同じような臨床試験において有効性を示し、有効中止されている。今後の非小細胞肺がんに対する免疫チェックポイント阻害薬開発に明暗を分ける可能性があり得る。
関連記事に書いたように、オプジーボ®は「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)」の国内適応追加承認を取得したばかりです。しかし、上の結果は、未治療の非小細胞肺がん患者に対して、初めからオプジーボ®を単独で使っても効かないという事を意味しています。この結果を受けて小野の株価が急落しています。
しかし、キートルーダ®は効いたと報告されています。オプジーボ®もキートルーダ®も免疫チェックポイント分子であるPD-1を標的とした抗体で、どちらもPD-1の機能を阻害するとされています。同じ作用メカニズムの2つの薬の効果が大きく異なるとすれば非常におもしろいと思いますが、、、
記事にも引用されているブログ「大分での肺がん診療」で書かれているように、オプジーボ®がPD-L1発現>5%の患者を対象としたのに対して、キートルーダ®がPD-L1発現>50%の患者を対象としたために結果が分かれたのではないでしょうか?そうだとすれば、PD-L1発現を調べる検査が非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断薬として普及する可能性が高いと思います。
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