国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長

米国が制裁対象追加のICC・赤根智子所長「決して負けない」「法の支配の危機」…オンラインで記者会見
以下は、記事の抜粋です。


トランプ米政権が制裁対象に追加した国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長が8月26日、オンラインで記者会見した。赤根氏は「ICCは決して負けない。正義は常にこれと対極にあるものに優越しなければならない」と述べ、米国の圧力に屈しない決意を示した。

トランプ政権は8月16日、ICCを米国の主権に対する脅威とみなし、赤根所長を制裁対象に加えると発表した。制裁発表後、初めて記者会見に臨んだ赤根氏は「ICCとその職員は中立公正に捜査・訴追し、裁判業務に従事してきた。制裁を受けるような理由は全くない」と断言した。その上で、「重大な国際犯罪の被害者にとってICCはいわば最後の希望だ。ICCに対する制裁は単にICCのみの問題ではなく、法の支配の危機として捉えてほしい」と訴えた。

日本政府の役割については「(米国の)同盟国としてICCの重要性や正当性について日本の見解を述べ、今回のことが米国のさらなるエスカレートした行為につながらないようにしてもらえると確信している」と期待を示した。

赤根氏への制裁について高市首相は当初、「大変残念に思っている」と述べるにとどめていたが、8月25日になって「日本の立場と相いれるものではない」と述べた経緯がある。


解説記事によって、以下のことを知りました。

●ICCとは、International Criminal Court(国際刑事裁判所)の略。ジェノサイド、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪など、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」を犯した個人の刑事責任を追及するためにつくられた常設の国際裁判所である。2002年に発足し、日本は2007年に加盟している。日本政府自身も、ICCを「法の支配」を推進する重要な存在として一貫して支持してきた。ICCの大きな特徴は、相手が国家元首や軍の指導者であろうと、重大な国際犯罪について「一人の人間」として責任を問うことができるところにある。

●赤根智子さんは1956年生まれ。東大学法学部を卒業後、検察官となり、法務省法務総合研究所長、国際司法協力担当大使、最高検察庁検事などを歴任した刑事司法の専門家。2016年、日本政府は赤根さんをICC裁判官選挙の候補者として正式に指名した。当時、外務省はその理由について、我が国が重視する国際社会における法の支配の推進にも寄与すると説明している。つまり、日本政府が、「法の支配」を国際社会で推進するために送り出した人物なのである。

●赤根所長はインタビューで、クレジットカードが使えなくなっていることを明らかにしている。さらに、AmazonやGoogleのアカウントが突然停止し、購入済みの電子書籍まで利用できなくなっていると思われる。これはもう、「アメリカに旅行できません」という程度の話ではない。一人の人間を、世界規模の経済・情報インフラから締め出す力を持った制裁なのである。それを、日本人の裁判官が受けている。

●ICCは2024年11月、イスラエルのネタニヤフ首相と当時のガラント国防相に対し、ガザでの戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで逮捕状を発付した。ICCは、民間人を飢餓状態に置くことを戦争の手段として用いた戦争犯罪、殺人、迫害などの人道に対する犯罪について、両氏が刑事責任を負う「合理的な根拠」があると判断している。さらに、民間人に対する攻撃を意図的に指揮した戦争犯罪についても責任を問うている。ところが、これにイスラエル、そして同国を強く支持するアメリカが猛反発した。アメリカはICCの加盟国ではない。トランプ政権は2025年2月、ICCへの制裁を命じる大統領令を発出。その大統領令には、ネタニヤフ首相とガラント元国防相への逮捕状を「根拠のないもの」と非難する文言まで明記されている。

●赤根所長が関わったのはイスラエルをめぐる案件だけではない。2023年、ICCはウクライナ占領地域からの子どもの違法な移送・追放に関する戦争犯罪の疑いで、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出している。この逮捕状を出した3人の裁判官の一人が、赤根智子氏だった。その後、ロシアは赤根氏を指名手配した。


アメリカの文化も街も多くの人も好きですが、今の状況はとても残念です。

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