The Fraction of Cancer Attributable to Lifestyle and Environmental Factors in the UK in 2010
以下は、論文要約の抜粋です。
がんの原因になる14種類の生活スタイルと環境のリスクファクターをがんの種類別に調べた。タバコ、アルコール、食品(肉、果物、野菜、繊維、塩分)が他の原因、運動不足、職業、感染、被曝(放射線と紫外線)、ホルモン剤の使用、母乳による保育などを上回った。
これらの中では、タバコがダントツで最も重要なリスクファクターであり、イギリス全体では60,000例(新生がんの19.4%)の原因であった(下図)。
他の原因には性差があり、タバコに次いで男性では、果物と野菜の摂取不足(6.1%)、職業によるもの(4.9%)、アルコール(4.6%)が多いが、女性では、肥満(6.9%、乳がんのため)と感染(3.7%)が多かった。
個々のがんでみると、肺がんではタバコが男性で87.3%、女性で83.6%の原因でした。男性だけで職業によるものが20.5%で高く、アスベスト関連だと思われます。肺がんに次いでタバコが原因として多いのは、喉頭がん(男79.0%、女79.1%)、食道がん(男62.6%、女71.3%)、口腔咽頭がん(男69.5%、女54.9%)、膀胱がん(男37.5%、女34.4%)でした。
果物と野菜不足が原因となるのは上部消化管のがんで、男女差はほとんどありません。口腔咽頭がん(男女合わせて56.0%)、食道がん(46.1%)、胃がん(35.8%)です。口側から順に低くなるのがおもしろいと思いました。一方、大腸がんには男女差があり、果物と野菜不足には関係なく、肉食と強い関連がありました(男24.8%、女16.4%)。
報告が強調しているのは、「多くのがん死は努力すれば避けられる」ということです。がんで死にたくない人は節制しましょう。
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