約6000体の遺体を解剖した法医学者が警告「お酒を飲んで身体にいいことは一つもない」飲酒がもたらす本当のリスク…「酒はタバコより危険」と言えるワケ
以下は、記事の抜粋です。
6000体近くの遺体と向き合ってきた法医学者は、「死の予兆」を知っている。サウナ、飲酒、タバコ、過重労働、睡眠不足……私たちが見過ごしがちな習慣が、どこで身体の「綱渡り」を崩すのか。
東北医科薬科大学法医学教授の高木徹也氏が、日本人に多い死因や突然死のメカニズム、災害・事故で生死を分けた行動などを、法医学の視点で解説する。
お酒を飲んで身体によいことは一つもない
お酒には、身体的・精神的依存性が高い、という問題があります。依存症になると、アルコール過多による脱水状態となり、今度は逆に動脈硬化症が進み、虚血性心疾患や脳血管疾患を引き起こすこともあります。また、アルコールの直接の毒性作用によってアルコール心筋症、ウェルニッケ脳症といった疾患を発症して死に至ることもあります。
アルコール依存症になれば、家族からも見放されて社会的に孤立したり、下手すると暴力沙汰を起こしたり、殺人事件にまで発展したりすることもあります。自分の身体を壊してしまうだけでなく、周りとの関係性も壊してしまうのがお酒の怖いところです。
現在、医師の間では、お酒は身体にとってよいことは何一つないというのが常識と なっています。ただ、そのことが一般に広く知られているようには思えません。
たとえば、「寝つきが悪いときに少し飲むくらいはよい」と言われていたことがありますが、現在、医療の世界ではこの説は否定されています。お酒を飲んで眠くなるのは血管を拡張させることによって脳の血流が下がることや、アルコールの精神作用で多幸感があるからで、決して安眠に誘ってくれているわけではありません。どちらかというと、医学的には「睡眠」というより「気絶」に近い状態です。
何より、アルコールはたとえ1滴でも脳を萎縮させます。理屈から考えて、身体にいいわけがないのです。タバコのCMは禁止になったり、規制が強化されたりしているのに、お酒のCMは流していいのだろうかと思うくらいです。
酒はタバコより危険?
近年はアルコール度数が8%以上と高い缶チューハイがスーパーで130円ほどと、ジュースよりも安価で売られています。私が医師になったばかりの平成の初期、アルコール依存症の人が飲んでいたのは日本酒の一升入り紙パックでした。
しばらくすると、4リットル入りペットボトルの焼酎となり、近年アルコール依存症で亡くなった人の家に転がっているのはストロング系チューハイの缶へと変わってきています。法医学者をしていると、アルコール依存症の人が好むお酒の種類にも流行り廃りがあることに気づかされます。
最後に、お酒と並ぶ嗜好品の代表ともいえる、タバコについてです。タバコによって動脈硬化や肺がんになることはありますし、受動喫煙によって心筋梗塞や狭心症などのリスクが3割ほど高くなることも明らかになっています。
ただ、法医学の視点でみれば、タバコが原因で亡くなる人よりアルコール関連死のご遺体をみる機会のほうがはるかに多いです。
私もお酒をたしなむので気をつけなければならないのですが、飲酒は喫煙よりはるかに身体に負荷をかける、ということは知っておいて損はないでしょう。
「タバコが原因で亡くなる人よりアルコール関連死のご遺体をみる機会のほうがはるかに多い」のは理解できますが、「飲酒は喫煙よりはるかに身体に負荷をかける」は?です。それにしても、日本は飲酒のCMがあまりに放任されているとは思います。
直近の久里浜医療センターの全国調査(令和6年度)では、アルコール依存症が疑われる人が約64.4万人、さらにアルコール使用障害の疑いを含めると約304万人と推計されています。これは、成人人口に対して「アルコール使用障害の疑い」が約33人に1人、より重度な「アルコール依存症の疑い」が約155人に1人ということです(記事をみる)。
私の周辺にも治療を受ける可能性が低い「依存症疑い」の人がいて、アルコールによる人格変化の進行を心配しています。国民の健康よりも税収か、、、


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