税逃れ、新興国揺らす パナマ文書に首脳らの名続々: 各国当局、捜査に着手
以下は、日経の記事の抜粋です。バンコクからの記事ということになっています。
パナマの法律事務所から流出し、タックスヘイブン(租税回避地)を使った富裕層の節税実態を明るみに出した「パナマ文書」が、新興国にも波紋を広げている。アルゼンチンのマクリ大統領、パキスタンのシャリフ首相といった現職の国家指導者とその一族だけでなく、野党政治家や財閥オーナーなどの名前が次々と浮上し、疑惑の目が向けられる。各国当局は不正行為への関与の洗い出しに一斉に動き出した。
タイ資金洗浄対策局は8日、文書に名前があったタイ国籍の16人を特定しパナマ当局と情報交換を始めたと発表した。「反道徳的と思うが、違法行為が確認されたわけではない」(同局幹部)として個人名は公表していない。
アルゼンチンのマクリ大統領はカリブ海の島国バハマとパナマの企業2社に関与していた疑いで検察が捜査を始めた。大統領は元実業家で、有力企業の経営に関わっていた。7日の記者会見では「法律に従って行動しており、隠すことは何もない」と不正を否定した。
文書で200人以上の名が挙がったパキスタンはシャリフ首相一族に租税回避の疑いが浮上。同首相とその息子らが少なくとも4社を英領バージン諸島に設け、ロンドンに不動産を持つ。
疑惑は西アジアのアゼルバイジャンにも飛び火した。同国の弁護士が2005年、文書が流出したパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」へ送った電子メールで、大手財閥がパナマに設けた財団の信託受益者として、アリエフ大統領の子供を登録するよう提案したとされる。
マレーシアのナジブ首相の息子、ナジフディン・ナジブ氏はバージン諸島の企業2社への関与が指摘された。
インドネシアでは有力政治家の名前こそ挙がっていないが、現地メディアがこの問題を連日報じる。企業幹部など約800人の名前が記載され、政府の汚職撲滅委員会が捜査を始めるという。
インドでは人気俳優を含む500人の名前が挙がった。政府は調査チームの発足を表明したが、名前の出たクリケット選手らが与党幹部と親密だとして、野党は「モディ政権は調査に関わるべきではない」と攻撃。
ブラジルでは3月末に連立与党から離脱したブラジル民主運動党など7党の政治家の関与が報じられている。ルセフ大統領の労働党は含まない。もし未申告の資産が発覚すれば、税務当局は対象者に罰金を科す方針だ。
上の記事では、「新興国は国内の経済格差が大きく、富が一部の政治家や経済人に偏在しがちだ。疑惑は政治対立の火種になりやすく、報道で名前が出た政治家らは嫌疑の払拭に懸命だ。」として、「パナマ文書」が新興国だけの問題であるかのように書かれています。
日本の状況はどうなのでしょう?「パナマ文書」とは何なのかまとめ、問題の本質や資産隠しの現状、そして各界の反応はでは、「日本の税制では、タックス・ヘイブンの法人で得られた所得を日本の所得とみなし、法人税または所得税を課税するという、みなし規定が設けられています。」と書かれていて、日本ではタックス・ヘイブンを利用した「節税or脱税」ができないかのような印象を受けます。
しかし、日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減には、以下のように書かれています。
東証に上場している上位50社のうち45社がタックスヘイブンを活用し、ケイマン諸島だけの活用に限っても、日本の大企業は55兆円で、アメリカに次いで世界第2位の規模です。つづく、イギリス23兆円、フランス20兆円、ドイツ17兆円で、後に続く各国を合わせた額に相当するぐらい日本の大企業はタックスヘイブンを活用し税逃れをしているのです。
出所が『しんぶん赤旗』(2013年8月25日付)というのがちょっと怪しいですが、これが事実だとすると、少なくとも大企業はタックス・ヘイブンの恩恵を受けていることになります。これは、脱税ではなく節税だから良いのでしょうか?
コメント