心房細動/心房粗動の発症リスク、低亜鉛が影響
以下は、記事の抜粋です。
亜鉛欠乏症は心房細動(AF)/心房粗動(AFL)発症の重要な独立した危険因子となる可能性が、台湾のI-Wen Chen氏らの研究から明らかになった。近年、AF/AFLの有病率が世界的に増加している。
本研究は、多施設共同後ろ向きコホート研究。2010~23年に血清亜鉛の測定記録日のある40歳以上の患者を解析した。傾向スコアマッチングにより、患者を亜鉛欠乏症群(70μg/dL未満、6万1,732例)と亜鉛正常群(70~120μg/dL、6万1,732例)に1対1に調整した。主要評価項目は2年以内のAF/AFL新規発症とした。副次評価項目は、肺炎、AF/AFL、虚血性脳卒中リスクとした。
主な結果は以下のとおり。
・亜鉛欠乏症は、追跡期間の早期(ハザード比[HR]:1.62、p<0.001)および晩期(HR:1.42、p<0.001)の両方において、AF/AFL発症リスクの有意な増加と関連していた。
・血清亜鉛濃度別に早期発症ならびに晩期発症の用量反応関係を調べた結果、軽度~中等度亜鉛欠乏症(50~70μg/dL、各群5万6,206例)では、早期発症(HR:1.40)と晩期発症(HR:1.26)の両方でAFリスクに対する統計学的有意差がわずかに認められた。対照的に、重度亜鉛欠乏症(50μg/dL未満、各群8,961例)では、リスクが著しく上昇し、早期発症は約3倍(HR:2.79)、晩期発症は2倍(HR:2.04)に増加した。
・重度の亜鉛欠乏症(50μg/dL未満)は、対照群と比較して晩期AF/AFLリスクが約2倍であった(HR:2.04)。一方、軽度~中等度の亜鉛欠乏症(50~70μg/dL)は、対照群と比較し、わずかだが有意な増加を示した(HR:1.26)。
・肺炎リスク(早期のHR:1.56、晩期のHR:1.40)や虚血性脳卒中リスク(早期のHR:1.19、晩期のHR:1.12)も亜鉛欠乏症患者で上昇した。ただし、心室細動/心室粗動は亜鉛欠乏症と有意な関連を示さず、心房性不整脈に特異的に影響を与えることが示唆された。
研究者らは、「血清亜鉛値を心血管リスク評価に組み込み、亜鉛補給を費用対効果の高い予防戦略として検討することに潜在的な価値がある」としている。
元論文のタイトルは、”Low serum zinc levels and risk of incident atrial fibrillation/flutter: a multi-institutional study(血清亜鉛濃度の低下と心房細動・心房粗動の発症リスク:多施設共同研究)”です(論文をみる)。
以下は、Geminiによる低亜鉛血症の原因です。高齢者やベジタリアンは気を付けてください。サプリで補充するのもけっこうハイリスクです。
低亜鉛血症(亜鉛不足)の主な原因は、「摂取不足」「吸収不全」「排出増加」の3つに大きく分けられます。
具体的には、以下のような要因が挙げられます。
1. 食生活による摂取不足
偏った食事: 極端なダイエットやベジタリアン、偏食などにより、亜鉛を多く含む肉類・魚介類(カキなど)の摂取が不足する場合。加工食品の利用: インスタント食品や加工食品に含まれる添加物(ポリリン酸など)が、亜鉛の吸収を妨げたり排出を促したりすることがあります。
2. 吸収の低下
加齢: 高齢になると消化吸収能力が落ち、効率よく亜鉛を取り込めなくなります。
疾患: 炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)などの消化管疾患により、吸収が阻害されることがあります。
他の成分との干渉: フィチン酸(穀物や豆類に多い)や過剰な食物繊維、鉄分などは亜鉛の吸収を抑えることがあります。
3. 排出の増加
薬の影響: 一部の降圧剤(ACE阻害薬など)や利尿薬、抗てんかん薬などが、尿中への亜鉛排出を増やすことがあります。疾患による損失: 糖尿病、腎臓病、肝硬変などの持病がある場合、尿や汗、消化液などから亜鉛が失われやすくなります。激しい運動: 大量の汗をかくスポーツ選手は、汗と共に亜鉛が排出されやすくなります。
4. 需要の増大
成長期・妊娠・授乳期: 体を作るために通常より多くの亜鉛が必要となるため、摂取が追いつかずに不足しやすくなります。
しかし、サプリでの亜鉛補充は、以下のように過剰摂取になり易いので勧めません。
銅欠乏症・鉄欠乏症: 亜鉛は小腸で銅や鉄の吸収を妨げるため、長期の過剰摂取によりこれらが不足し、貧血や白血球減少、歩行困難などの神経障害を引き起こすことがあります。
免疫力の低下: 逆に免疫システムが損なわれ、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
1日の耐容上限量(これを超えると健康障害のリスクが高まる量):
男性:40〜45mg
女性:35mg
※一般的なサプリメント1錠に15〜30mg含まれていることが多いため、食事と合わせると容易に上限を超える場合があります。


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