洗濯すると服が縮んでしまう理由とその回復法

洗濯すると服が縮んでしまう理由を繊維科学者が解説
「なるほど!」という内容です。以下は、記事の抜粋です。


オーストラリアのスウィンバーン工科大学の繊維科学者であるニサ・サリム氏が、服を洗濯したら縮んでしまう現象について解説しています。

衣類が縮む主な原因は、繊維が元の状態に戻ろうとする性質にあります。コットンやリネンのような植物由来の繊維は、自然な状態では不規則に縮れています。繊維の内部には、コイル状やうずまき状のセルロース分子が多数存在しますが、織物を作る製造過程でこれらの繊維は機械的に引き伸ばされ、まっすぐな糸に加工されます。

この時、繊維は張力がかかった状態で固定されますが、繊維は元の縮れた状態を記憶しており、熱や水分、洗濯機の攪拌(かくはん)のような物理的な力が加わると、その張力が解放され、元の状態に戻ろうとします。これが衣類の縮みとして表れます。

洗濯の過程では、まずお湯が繊維を固定している水素結合を弱めます。さらに、植物繊維が水分を吸収しやすい性質(親水性)を持っているため、水分子が繊維の内部に浸透し、膨張して動きやすくなります。これに洗濯機の回転や攪拌が加わることで、繊維はリラックスし、本来の縮れた状態へと戻っていきます。

冷水でも繊維は水分を吸収して膨張するため、お湯ほどではありませんが縮みが発生する可能性があります。縮みを最小限に抑えるには、冷水を使用し、最も穏やかな設定で洗濯することが推奨されます。また、糸が密に織られている生地は、緩く編まれた生地に比べて繊維が動きにくいため、縮みにくい傾向があります。

繊維の種類によっても縮みのメカニズムは異なります。ウールは動物由来の繊維で、表面がキューティクルと呼ばれるうろこ状の細胞で覆われています。洗濯中にこのキューティクルが開き、隣接する繊維と絡み合うことで「フェルト化」という現象が起き、生地全体が密になり縮んでしまいます。一方で、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、石油由来のポリマーから作られており、分子構造が非常に安定しているため、縮みにくいという特徴があります。

もし衣類が縮んでしまった場合でも、ヘアコンディショナーやベビーシャンプーを大さじ1杯程度溶かしたぬるま湯に衣類を浸すと、ある程度回復させることができるとのこと。これはコンディショナーに含まれるカチオン系界面活性剤が繊維を一時的に滑りやすくして、優しく元の形に引き伸ばしやすくなるためで、その後に平干しするかやさしく張力をかけながら乾かすことで、サイズをある程度元に戻せる可能性があるそうです。


正しいかどうかわかりませんが、縮んだ服を元に戻す方法についての詳しい記事がありました(記事をみる)。縮んでしまった方は試してみてください。

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