【分析】トランプ氏、イランで何が起こっているかさえ知らなかった?
CNNは、民主党支持者(リベラル層)が主な視聴者となっており、米調査機関などの分析でも、「左派(リベラル)寄り」のメディアとして位置付けられることが一般的です。それにしても、それなりにエビデンスに基づいており、痛烈でおもしろいです。以下は、CNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事の抜粋です。
トランプ米大統領は3月7日、戦争初期にイランの小学校を攻撃し、多数の子どもを死亡させたのはイランだと主張した。
9日になってトランプ氏は、その発言当時、話している内容についてほとんど知らなかったことを認めたうえで、その学校に命中したとみられる巡航ミサイル「トマホーク」はイランを含む他国も使っていると示唆した。イランはトマホークを保有していない。
なぜ政権内の他の人々はイランに責任があるという同様の主張をせず、調査中だとしているのかと記者会見で追及されると、トランプ氏は「私はその件についてよく知らないからだ」と述べた。トランプ氏は、調査結果を尊重すると付け加えた。
この攻撃は、トランプ氏が言及した時点ですでに世界中で大々的に報じられており、米国に過失があったとすれば戦争遂行に重大な打撃を与えかねないと一部の共和党議員でさえ懸念するものだった(CNNと専門家による証拠分析と新たに浮上した映像によれば、米軍に責任があった可能性が高い)。だが、トランプ氏は蚊帳の外だったようだ。
大統領がイランの現地で何が起きているのかを大まかにしか理解していないように見えるケースはこれだけにとどまらない。
9日の記者会見でそれを示したのは学校への攻撃だけではなかった。冒頭の別の場面でトランプ氏は、イランの近隣諸国が米・イスラエルとともに対イラン戦に参戦したと主張したように見えた。
トランプ氏は「周辺国は大半が中立だった。少なくとも関与するつもりはなかった。なのに攻撃を受けた」と述べ、「それは逆効果になった。近隣諸国はわれわれの側に立ち、イランを攻撃し始めた。しかも実際かなり成功している。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどだ」と語った。
これは現実に即していない。確かにイランは、米・イスラエルへの報復として、湾岸近隣諸国にある米国資産を攻撃したが、その結果として近隣諸国が参戦したというのは事実ではない。
CNNが10日に伝えたとおり、UAEはイランから最も激しい攻撃を受けている。だが、長い取引関係のあるイランを攻撃してはおらず、別の形で圧力をかけようとしているようだ。
ロイター通信によると、サウジアラビアは、攻撃を続けるなら報復するとイランに警告しているが戦争には加わっていない。
カタール外務省の報道官は、「カタールはイランを標的にした作戦に参加していない」と述べている。さらにムハンマド首相は9日、英スカイニュースに対し「緊張緩和を引き続き模索している」と語った。
トランプ氏は同じ記者会見で、イラン南部沖のホルムズ海峡の停滞についても、「われわれにはあまり影響はない」との見方を示した。米国は今や自前で大量の石油を生産しているからだという。
湾岸の石油への依存度は他国、特にアジア諸国のほうが高い。だが、世界経済は相互につながっているため、米国も当然、悪影響を受けている。石油価格に関してはなおさらだ。
トランプ氏は再三、イランは「近く」大陸間弾道ミサイルで米国を攻撃できるようになるはずだった、米国に先制攻撃を仕掛ける計画だった、さらに最近では、中東全域を掌握する計画だったと主張してきた。
だが、これらの何一つ、既知の情報機関によって裏付けられているものはない。そして、今でこそ軟化させたものの自国の学校をイランが攻撃したというトランプ氏の主張と同様に、こうした言葉を語る人物は同氏を除いてほぼ皆無だ。


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