スタチンによる好ましくない作用、多くは過大評価~メタ解析
以下は、記事の抜粋です。
スタチン製剤の製品ラベルには、治療関連の可能性がある作用として特定の有害なアウトカムが記載されているが、これらは主に非無作為化・非盲検試験に基づくため、バイアスの影響を受けている可能性があるとされる。
オックスフォード大学のChristina Reith氏らは、このようなスタチン製剤の好ましくない作用のエビデンスをより高い信頼性をもって評価することを目的に、大規模な二重盲検試験の個別の参加者データを用いたメタ解析を実施した。
5つのスタチン製剤の有害作用をメタ解析で評価
研究グループは、5つのスタチン製剤(アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン)について電子医薬品集を検索し、スタチンの医薬品の特性要約に記載されている好ましくない作用の用語のリストを作成した。
メタ解析の対象とした無作為化試験は、(1)参加者数が1,000例以上、(2)予定された投与期間が2年以上、(3)スタチンとプラセボ、あるいは高強度と低強度スタチン療法の二重盲検比較試験であった。
66項目中62項目は有害作用ではない
19件がスタチン療法とプラセボを比較した二重盲検試験であった。参加者の平均年齢は63歳、3万4,533例(28%)が女性であり、5万9,610例(48%)に血管疾患の既往歴があり、2万2,925例(18%)が糖尿病の病歴を有していた。
筋肉関連アウトカムや糖尿病への有害な作用に加えて、スタチンに起因するとされた66項目の追加的な好ましくないアウトカムのうち、有意水準を満たしたのは、わずかに次の4項目のみであった。
・肝トランスアミナーゼ値異常:スタチン群783例(0.30%/年)vs.プラセボ群556例(0.22%/年)、RR:1.41(95%CI:1.26~1.57)
・その他の肝機能検査値異常:スタチン群651例(0.25%/年)vs.プラセボ群518例(0.20%/年)、RR:1.26(95%CI:1.12~1.41)、肝機能検査値異常の合計における絶対的な年間超過率:0.13%
・尿組成の変化:スタチン群556例(0.21%/年)vs.プラセボ群472例(0.18%/年)、RR:1.18(95%CI:1.04~1.33)
・浮腫:スタチン群3,495例(1.38%/年)vs.プラセボ群3,299例(1.31%/年)、RR:1.07(95%CI:1.02~1.12)
これらの知見について、著者は「スタチン療法の既報の有害作用(筋肉関連アウトカム、糖尿病への影響)以外では、肝臓の生化学的異常のわずかな絶対的増加と、臨床的な意義不明の尿組成の異常および浮腫への潜在的な有害作用と関連するのみで、スタチン製剤の医薬品の特性要約に記載されたその他のアウトカムとは関連しないことを示している」「スタチン療法が心血管系に及ぼす有益性は、スタチン関連のあらゆるリスクを大きく上回るという従来の結論を強化するものである」としている。
また、「スタチン製剤の製品ラベルの好ましくない作用の項はリスクを過大評価しており、臨床医と患者の誤解を招く恐れがあるため、有益な情報に依拠したエビデンスに基づく意思決定をより適切に支援するよう改訂すべきである」と主張している。
日本でもロスバスタチンの説明をみても、ものすごく多くの「重大な副作用」が10項目と「その他の副作用」が20項目以上が書かれています。それなりのエビデンスに基づいて書かれていると思っていましたが、そうでもないことが分かりました。
多く書いておけば、下手な鉄砲も当たって、製薬会社や認可した行政などの責任が薄まると思っているのかもしれませんが、かえって読むきを失わせる可能性が高くなってしまいます。エビデンスに基づいた改善が必要だと思います。


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