先日、知り合いの病院に行って話をしていたら、最近ノロウイルス感染が多いという話になりました。ノロと診断されても治療法がないので意味がないという説がありますが、家族への感染を心配して診断を希望する患者さんも多いそうです。
保険適応についてですが、3歳未満の患者、65歳以上の患者、悪性腫瘍の診断が確定している患者、臓器移植後の患者、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者では保険適応されるそうです(2012年4月2日から)。その病院は老人病院なので、保険適応される例も多いようです。
その病院では、下のようなキットを使って迅速診断しています。めん棒を使って15分ぐらいで結果が出ます。感度は十分で偽陽性も少ないそうです。原理はImmunochromatographyでノロウイルス抗原を検出します。
下痢が止まって1週間経過したような患者でも陽性に出ることもあるとのことでした。症状がない患者でも安心できません。水が冷たくても手をよく洗いましょう。
最近、新聞などでのノロウイルスによる死亡報道が急増しているのは、本当にノロウイルスの感染が増えた可能性もありますが、このような迅速キットの普及とその保険適応によって、診断される機会が増えたことによる可能性もあるのではないかと考えています。もちろん、超高齢者の増加も理由の1つだと思います。
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