大腸憩室炎の原因

大腸憩室炎の原因は?
M3という医療関係者のサイトで勉強になるQ&Aがあったので自分用にメモしておきます。

Q:なぜ大腸憩室炎が起きるのか皆さまご存じでしょうか?憩室の存在だけではもちろん起きませんし、糞塊が嵌頓していても炎症が起きるわけでもないですよね。皆様は患者さんに単に炎症が起きているとだけの説明で、その原因の説明をされていますか?

A1:憩室炎の原因は、病理学的には微小穿孔であるとされています(糞塊の貯留と憩室内圧上昇による)。穿孔ではあるものの大きな穿孔ではないのでほとんどが限局性腹膜炎に留まり、汎発性腹膜炎とはならないため保存的治療で改善します。ただ、患者にそこまで説明しても話が難しくなるため、「糞便はほとんどがばい菌の塊で憩室があるとそこに溜まって炎症を起こすことがある」程度の説明に留めています。

A2:腸管の内圧が便秘やガス・食物で上がりやすくなると、憩室炎が起こりやすくなると思います。また腸内環境の乱れも発症要因の一つと考えます。ですので、便秘がある人は便秘にならないような生活を心がけるように指導しますし、食事内容などを気をつけるようには指導します。また必要に応じて整腸剤を処方します。ただそれでも繰り返す人はいますので、単純にこれだけで憩室炎になる・ならないというものは存在しないとは思います。


大腸には細かな血管が外側から入ってくる場所があり、そこでは筋肉が小さく欠損しているため圧力に弱いといわれます。便秘で腸の内圧が上昇した状態や、加齢に伴う影響などで、腸壁が外に押し出されて憩室ができると考えられています。

大腸憩室の保有率は日本人全体で約24%とされ、年齢とともに上昇します。日本を含むアジア人では、右側結腸(上行結腸〜肝彎曲)にできやすく、加齢とともに左側(下行結腸〜S状結腸)にも発生する割合が増加します。

憩室は腸の壁が薄い場所にあるため、炎症が強いと穿孔して膿瘍を形成することがあり、強い腹痛や発熱を伴います。さらに腹部全体に炎症が広がった汎発性腹膜炎となることもまれにあります。

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