あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか
以下は、記事の抜粋です。
「いずれもこの年齢の少女たちによく見られる症例ですね」ある冊子に記載された患者たちの症状や経過だけを見た場合、どういう考えを持つかという質問に対し、複数の小児科医・神経内科医・精神科医から寄せられた回答である。
この冊子は全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会などの3団体が昨年5月末に出版した「子宮頸がんワクチン副反応被害報告集」。
“被害者”の少女たちの症状は実に多彩だが、特に神経疾患を思わせる症状についての記述はどれも強烈だ。繰り返し起きる手足や全身のけいれん、「自分の意志とは無関係に起きる」という不随意運動、歩けない、階段が登れない、時計が読めない、計算ができない、そして、ついには母親の名前すら分からなくなった……。
いずれも「ワクチンのせいだ」と思って読めば、読者は絶句し、ワクチンへの恐怖心を募らせるに違いない。
去る9月17日、厚生労働省のワクチン副反応検討部会が行われた。部会は「ワクチンによる重篤な副反応の多くは心的なものが引き起こす身体の症状」との見解は覆さなかったが、「積極的な接種勧奨の差し控え」という奇妙な日本語の判断も継続するとした。差し控えにより接種率はかつての7割から数%にまで落ち込んでいる。
多くの小児科医や精神科医によれば、子宮頸がんワクチンが導入される前からこの年齢のこういう症状の子供たちはいくらでも診ていた。しかし、今ではもう何でもワクチンのせいということになっていて、大多数のまっとうな医者の普通の判断を言うことがまるで「弱者への暴力」であるかのような雰囲気になっている。
子宮頸がんワクチンは、我が国において「思春期の少女だけ」に接種されることになった初めてのワクチンだ。「ワクチンによって患者が生まれた」のではなく「ワクチンによって、思春期の少女にもともと多い病気の存在が顕在化した」、そう考えるのが自然ではないだろうか。
少女たちが苦しんでいることは事実で、少女たちは決して悪くない。騒ぎの責任は大人たちにある。しかし、少女たちの苦しみの原因がワクチンにあると断定する科学的裏付けは一体どこにあるのだろうか。
この記事の著者は、数人(数十人だとしても)の意見から、自分の気に入った意見だけをまとめて結論を出している印象を与えています。
2009年12月のワクチン流通から2014年11月までに、338万人が接種を受け、2584人から副作用の症状が確認されたとされています。その約1割が未回復のままだとされています。これを10万人あたりになおすと、未回復のままは7~8人ということになります。
この著者はこの7~8人の全部が心因性と考えているのでしょうか?少なくとも、ワクチンを打たない同世代の少女10万人中で何人で同様の「心因」症状が認められるのかを書くべきだと思います。
一方、年間、約10,000人が子宮頸がんにかかり、約3,000人が亡くなっています。また、発症率は10万人あたり11人、死亡率は3人です。著者の主張が証明できれば、誰も子宮頸がんワクチンの「積極的な接種勧奨」に反対しないでしょう。
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