首相談話についても、アメリカ人なので語りません
パックン(パトリック・ハーラン)さんがまた記事を書いています。特に印象に残った部分を以下に抜粋して紹介します。
第2次大戦で日本の方は何人ぐらい亡くなっているのか。答えられる方は以外と少ない。
正解は談話にも出た、300万人だ。では、中国ではどれぐらい亡くなっているでしょうか? これが答えられる人はほんの一握りでしょう。正解は1000万~2000万人。歴史家によって計算法が違ったりするが、一番少ない数字でも日本の3倍以上にあたる。インドネシアでも日本と同じぐらいの300万人以上が死亡しているという。ベトナムでは100万~200万人。フィリピンでは50万人だ。
こんな悲惨な数字はほとんどの方の知識にない。敗戦国である日本が甚大な被害を受けたのは事実だが、これらの国々の被害も実に凄まじい。そしてこれらの国々は、日本を「敗戦国」というよりも「開戦国」として見ているのだ。
下のグラフに示されているように、中国やインドネシアでは死者の多くが民間人です。日本の死者の多くは軍人です。
日本で民間人が多数死亡したとされる原爆と沖縄戦の数字を調べてみました。広島は当時の人口42万人、死者、行方不明合わせて12万2338人、長崎は、人口24万人、死者、行方不明合わせて7万3884人とされています。また、沖縄戦での民間人死者は9万4000人だとされています。日本の民間人死者の合計は約80万人です。下のグラフでもわかるように、中国やインドネシアはもちろん、インドやベトナムと比べても、第2次世界大戦での日本の民間人の死者数は少ないです。
「南京での大虐殺」を否定する人でも上の数字や下のグラフの数字は否定できないと思います。このような「知識」を持つことは誰でもできます。
しかし、「意識」を変えるのは難しいです。自民党の国会議員にとって、靖国参拝は票に直結しているので止めるのは無理でしょう。「靖国神社は、世界のメディアでWar Shrine(戦争神社)と紹介されている」ということなら、ここにドイツの歴史博物館のような施設を作ればかなり効果的だとは思いますが、これも無理でしょう。
「知識」を勉強することに加えて、ヤマザキマリ氏のような「国境のない生き方」をすれば、多様な価値観を受け入れることができる「意識」あるいは「感性」が身につくのではないかと期待しています。
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